使いやすさと管理性・安全性を高めるソフトウェアも

今回は「Dell Data Protection(DDP)」に関する説明も行われた。企業でPCを使うとき、IT管理者から見るとクライアントPCの防衛が必須となる一方、クライアントPCを使うユーザーの視点では、セキュリティを固めすぎると利便性が落ちる。

デルは自社のハードウェアを生かし、かつパフォーマンスや利便性の低下を最小限に抑えるソフトウェア群「Dell Data Protection」を提供している。最大のメリットは「ハードウェアもセキュリティソフトも同じ電話窓口で対応」することで、これによって顧客の負担を軽くする。

デル クライアント・ソリューション統括本部 Dell Data Protectionマーケティングの國持重隆氏

業務用PCではセキュリティの確保が重要。デルでは、管理コンソールやデータの暗号化などのソフトウェア「Dell Data Protection:DDP」を提供している

高いセキュリティはユーザーの利便性を阻害しがちなので、バランスに配慮

自社のハードウェアに適したソフトウェア提供に加えて、サポート窓口をワンストップで設けることでIT管理者の負担を軽減する

Latitude製品の説明で出ていたDDP|Eは「Dell Data Protection|Encryption」の略で、データ暗号化を担当する。そのほか、認証用のSecurity Tools、マルウェア対策のProtected Workspace、バックアップを行うEndpoint Recoveryなどが、主要製品としてラインナップされている。Security ToolsとProtected Workspace(一年間)は、標準機能だ。

このうちいくつかのデモが行われた。Security Toolsは、手持ちのスマートフォンにアプリを入れ、PCとペアリングを行う。すると、別途ワンタイムパスワードトークンを用意しなくても、スマートフォンのアプリに表示されるワンタイムパスワードを用いた認証が可能となる。Protected Workspaceは、標的型メールやOfficeスイートのマクロウイルスなどに対して、振る舞い型のマルウェア判定を行う。サンドボックス内で動作を検証し、怪しい動作があっても取り消せる。従来型のセキュリティ対策ソフトとも併用でき、多重防御の構築に役立つ。

「今回は間に合わなかった」と前置きして紹介されたのが、「Dell Data Protection|Endpoint Security Suite Enterprise」だ。2015年11月に米国で発表したCylance社との協業製品となり、自己学習機能によって賢くなっていくマルウェア対策ソフトになるそうだ。

Dell Data Protectionの主なラインナップ。認証とマルウェア対策は標準機能だ

マルウェア対策に関しては、2015年11月にCylance社と協業した製品が近日登場予定

Dell Data Protection|Security Toolsのデモ。手持ちのスマートフォンにアプリを入れ、事前にペアリングすることでワンタイムパスワードが利用可能となる

今回はログイン時に利用するデモを実施。パスワードリセット時や二要素認証にも対応する

Dell Data Protection|Protected Workspaceのデモ。サンドボックス型の検知エンジンを使用し、未知の脅威でも振る舞いから安全に検知する

デモでは、再び脅威が広がりつつある標的型Officeマクロ攻撃を想定。「職務履歴書」を添付した人事部からのメールを装うという、心理的に開かざるをえないような攻撃を想定

ポップアップによって警告が表示され、実行前の状態へとワンクリックで戻せる