VAIOは9日、約930gの11.6型ノートPC「VAIO S11」を発表した。Wi-Fiモデルのほか、底面にSIMスロットを装備し、格安SIMカードなどを挿入してモバイル通信できるSIMフリーモデルも用意する。同日から受注開始で、12月18日から順次発送。価格はオープン。直販のカスタマイズモデルは税別114,800円から、個人向け標準仕様モデルは税別149,800円から。

VAIO S11。ブラック、シルバー、ホワイトの3色を用意

2015年2月16日に発表したフラッグシップ機「VAIO Z」の技術を活かし、「ビジネスモバイルの"快"を凝縮した」という11.6型モバイルノートPC。Skylake世代のCore iプロセッサ(U型番)を搭載し、SIMフリーモデルの投入に加え、外装や冷却機構、キーボードで独自の工夫を施した。

ブラックモデル

シルバーモデル

ホワイトモデル

SIMフリーモデルの投入

SIMフリーモデルでは、底面にSIMスロットを備える

「VAIO S11」では、「格安SIMが一般に浸透してきた」として、底面にmicroSIMスロットを備えたLTE対応モデルをラインナップする。LTEとWi-Fiのアンテナはディスプレイ上部のベゼル内に配置。対応バンドは、4G LTEがバンド1 / 3 / 19 / 21、3Gがバンド1 / 19で、ドコモ網が中心。

合わせて、VAIOはPC向けに独自プランのSIMサービスを提供開始する。格安SIMサービスでは通常、データ通信容量上限付きの月額契約が主となる。「まとめて使う月と使わない月の差が大きい」「月額契約だと経費精算が面倒」といったように、PCで便利なデータ通信サービスがなかったとして、独自プランの提供に至った。

LTEとWi-Fiのアンテナはディスプレイ上部のベゼル内に配置(写真は試作のスケルトンモデル)。ちなみに、試作機ではLTEチップとしてドコモ網に対応したTelit「LN930-AP」、無線LANチップにはIntelの「8260NGWH」を採用していた

外装や冷却機構、キーボード

外装には、防汚性や防指紋性があり、擦り傷にも強いUVコーティングを施し、日常使用による劣化防止を図る。冷却機構では、2014年7月に発表した11.6型ノートPC「VAIO Pro 11」搭載ファンから大型化し、1.5mm厚いファンの採用で排熱量を約2倍に増加させた。

11.6型ディスプレイの解像度は1,920×1,080ドット。sRGB97%カバーのIPS液晶で、蛍光灯の映り込みを低減する独自の低反射コーティングを採用した。また、インタフェースのひとつには、Thunderbolt 3兼用のUSB 3.1 Type-Cポートを搭載する。

右側面

左側面

キーボードは内部に補強ビスを備えて剛性を高め、たわみの少ない打鍵感を目指した。入力スイッチはパンタグラフ式だが、樹脂製の取付ベースを採用し、打鍵時の干渉音の抑制と、がたつき音を低減した静音キーボードとしている。キートップには専用開発のフッ素含有UV硬化性樹脂塗装を採用し、経年によるトップコートの摩耗や、油脂によるテカリを目立ちにくくした。また、タッチパッドは新開発の「高精度タッチパッド」を搭載。新しいタッチパッドでは、触れている部分が「指」か「手のひら」かを検知する機能を備え、手のひらが触れたことによる意図しない誤操作を防ぐ。

本体のキーボード

VAIO S11(左)と、通常のPC(右)のキーボードでの皮脂汚れの違い(同社調べ)

新搭載のタッチパッドでは、操作時に触れる面積と実際に力がかかる面積の差の違いで、指か手のひらかを検知。試作機で試した限りでは指の操作時のみカーソルが反応した

キートップを透明化したスケルトンモデル

このほか、ビジネス用途も意識し、150kg加圧振動試験や不意の落下を想定した90cm6面落下、閉じた状態でペンを挟み込む試験など、2015年5月に発表した13.3型モバイルPC「VAIO Pro 13 | mk2」と同じ耐久試験をクリアする。

試作のスケルトンモデル(底面)

個人向け標準仕様モデル

量販店などに並ぶ、個人向け標準仕様モデルの主な仕様は、OSがWindows 10 Home 64bit、CPUがIntel Core i5-6200U(2.30GHz)、チップセットがIntel HD Graphics 520、メモリが4GB、ストレージが128GB SATA SSD、液晶が11.6型ワイド(1,920×1,080ドット、低ヘイズAG)など。

通信機能は、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1。

インタフェースは、USB 3.0×2、USB 3.1(Type-C)、SDカードスロット、D-Subなど。本体サイズはW284×D190.4×H16.4~19.1mm、重量は、Wi-Fiモデルが約930g、SIMフリーモデルが約940g。バッテリ駆動時間は約15時間(JEITA 2.0)。カラーはブラック、ホワイト、シルバー。最小構成価格は税別149,800円。

カスタマイズモデル

ソニーストアのカスタマイズモデルでは、OSでWindows 10 ProやWindows 7 Professional、CPUでCore i7-6500U、Core i3-6100Uが選択できるほか、ストレージでPCIe接続の512GB/256GB SSDをカスタマイズできる。また、LTEのあり・なしの選択、Office種類や搭載・日搭載の選択が可能。重量は構成により、約920~940g。Wi-Fiモデルの最小構成価格は税別114,800円。SIMフリーモデルの最小構成価格は税別124,800円。

VAIOストアモデル

9日にオープンした直販サイト「VAIOストア」でも、「VAIO S11」を取り扱う。ソニーストアのカスタマイズモデルと同様の構成選択が可能だが、同社のPC向け通信サービスセットモデルのみを用意。このほか、オリジナルの保証サービス「パソコン3年あんしんサポート」もオプションで選択できる。通信プラン+SIMセットの最小構成価格は税込142,344円から。

本体は約930gで片手で持てる重さ

使用イメージ

11.6型は女性のカバンにも入れやすい