強力な吸引力の掃除機で定評のあるダイソンから、ついにロボット掃除機が発売された。「ダイソン 360 Eye ロボット掃除機」(以下、360 Eye)だ。2014年9月にお披露目されて以来、1年余りの月日を経て、ようやく消費者のもとに届けられた待望の製品である。ダイソン初となるロボット掃除機の性能や使い勝手などをチェックしてみた。

ダイソンのロボット掃除機「ダイソン 360 Eye ロボット掃除機」。直販価格は税込149,040円

ダイソンのサイクロン技術を搭載

箱から出してみて、まずは目を引くのがコンパクトさ。直径約24cmと一般的なロボット掃除機に比べると、2まわりほど小さい。小回りがきくので、家具のすき間をスムーズに動くことができ、この大きさだけでも家具の多い部屋には需要があるのではないかと感じた。

反面、高さに関しては12cmと他機種に比べて高い。ソファやベッド下などに入ることを想定した結果、他のロボット掃除機の高さが軒並み10cm以下になっていることを鑑みると特殊といえる。現状、ユーザーとしてはまず直径と高さのいずれを優先するかの選択となるだろう。

直径は約24cm。小ぶりなサイズのため、家具のすき間など狭い場所にも入っていきやすい。一方で、高さは12cmと高め。全体的にギュッと中央に詰まって、高さが増した感じだ

360 Eyeの外観で目を引くのが、本体前面のクリアビン部分。吸引したゴミがたまっていくダストボックスに当たるが、ダイソンのサイクロン技術がデザインとともに受け継がれているのは、ダイソンファンには特にうれしいポイントだろう。

構造上ではもう一つ、多くのロボット掃除機が備えているサイドブラシがないと気付く。部屋の隅や家具の脚もとに集まったゴミをかき出すパーツだが、ダイソンではゴミを不用意にまき散らしてしまうという理由で装備していない。

サイドブラシがないかわりに、ダイソンが工夫したのはブラシバーの位置だ。これまたダイソンらしいデザインのブラシバーが本体前方寄りの位置に、本体幅いっぱいに取り付けられている。この設計により、サイドブラシでかき集めなくても壁際のゴミも取り除けるという理屈だ。

車輪ではなく、キャタピラー車のようなベルト駆動の車輪を使っているのも特徴。可動式のサスペンションも装備することで段差を力強く乗り越えられるという。筆者宅には段差がほとんどないため、そのメリットを実感することはあまりなかったが、部屋の敷居部分に段差がある住宅なら、頼りになりそうだ。

ひと目でダイソンとわかるデザインとカラーリングだ。ダイソンの意匠とも言うべきサイクロン機構とデジタルモーターを搭載。写真右は本体裏面。サイドブラシを装備せず、幅広なブラシバーを備えているのが特徴的

ブラシバー両端は一部はみ出ている。ブラシバーにはカーボンファイバー素材(黒)と硬いナイロン素材(赤)を採用。静電気の発生を抑えて床から微細なホコリを取り除き、カーペットの奥からゴミをしっかりと掻き出す

キャタピラー車のようなベルトで駆動する。可動式のサスペンションによる反発力で段差も力強く乗り越えてくれる