産業とニコン

初期の半導体露光装置(ステッパー)の実機が展示されている。古い機種ではあるが、なかなか見る機会がないものだけに興味深い。

【左】初期の半導体露光装置の実機。【右】液浸露光技術を使用した半導体露光装置(スキャナー)。中央のレンズ群の迫力!

半導体露光装置は、ニコンの未来技術遺産として登録されている

バイオ・医療機器とニコン

ドイツ人技師の指導を受けて開発したニコン初の顕微鏡「JOICO顕微鏡」から、細菌を培養しながら観察できる顕微鏡、そしてデジタル技術を結集した最新の医療研究用顕微鏡などを展示。技術の進化と医療研究の発展を、顕微鏡を通じてのぞける。

顕微鏡の進化の歴史。右へ行くほど新しい

【左】超解像顕微鏡。余計な光学的な影響を画像演算処理で打ち消せる。【右】見学者の向こうに見える大きな白い箱は、デジタル技術を駆使した医療用のデジタル顕微鏡なのだ

ユニバース・オブ・ニコン

大きさ10万分の1mmともいわれるインフルエンザウイルス、さらにその1/100の世界である半導体から、果ては銀河系を遠く離れた宇宙空間まで、ニコンの製品群がカバーするフィールドのスケール感を3D CGムービーで体感できるコーナー。映像が高速で動くことに加え、最前列で見ると足下までスクリーンが広がるので、没入感は半端じゃない。乗り物酔いしやすい人にはあまりオススメできないほどの迫力だ。

【左】ユニバース・オブ・ニコンでは、3種類の迫力あふれる映像を視聴できる。【右】最前列で見ると足下まで映像が!

レンズの実験室

楽しい映像で、光とレンズの基本を親子一緒に学べる科学スペース。写真家の阿部秀之氏が内容を監修している。

【左】子どもにも親しみやすいイラストでレンズの基本知識を学ぶことができる。とはいえ、子どもが完全に理解するには結構ハードな内容かもしれない。【右】ドアスコープ、マクロレンズ、虫眼鏡で、見え方のちがいを体験

シアター

ニコン100年の歩みを音楽と映像で綴るコーナー。音楽はなんと、ニコン100周年のために作曲家の和田薫氏が書き上げた交響組曲「LUX CENTURIAE -A Century of Light-(邦題:ルクス・センチュリエ ~光に満ちた100年~)」。オーケストラ(兵庫芸術文化センター管弦楽団)が演奏、収録している。

4楽章構成で、各楽章のテーマは以下のとおり。

第1楽章“創生”(戦前のニコン創業からレンズの独自開発まで)
第2楽章“転生”(戦後の苦難を乗り越えて開発されたカメラとレンズ)
第3楽章“躍進”(デジタル時代を支える半導体と製造装置で世界をリード)
第4楽章“飛翔”(作り手とユーザーが共に奏でるハーモニーは未来へ)

【左】リスニングルームのようなシアター。【右】シアターで聴ける交響組曲「LUX CENTURIAE」のスコア

以上、駆け足で6つのコーナーを紹介してきた。館内にはスタッフが常駐しているので、説明をお願いすると、さらに楽しく展示を見てまわれる。気軽に話しかけてみよう。