Winodws 10 Mobileデバイスの開発を6社が表明

ここまで少々長くなってしまったが、今回の隠し球は、「Winodws 10 Mobile対応デバイスの開発表明」である。再登壇した平野氏は「ここ数年、Winodws Phoneビジネスを展開してこなかった」と振り返りつつ、「社長になってから、メディアや顧客、パートナー企業からもっとも多かった質問の1つがスマートフォンビジネスだった」という。平野氏は「その時期が来たら説明する」と繰り返してきたが、ようやく"その時期"が訪れた。

今回、Windows 10 Mobileデバイスの開発を表明したパートナー企業。左上から順にマウスコンピューター、プラスワン・マーケティング(FREETEL)、サードウェーブ(ここまで表明済み)。新たに、トリニティ(NuAns)、日本エイサー、VAIOの3社が加わった

具体的な製品概要やリリース時期は各社から個別発表となるものの、合計6社がWindows 10 Mobileデバイスの開発を推し進め、近い時期に日本国内でWindows 10 Mobileが使用可能になる。日本マイクロソフトとしては、Windows 10デバイスと同じくファーストデバイスのLumiaシリーズは後回しして、サードパーティのWindows 10 Mobileデバイスを盛り上げるべくため、パートナーに対する支援体制を整えていくという。

本邦初公開のWindows 10 Mobileデバイスを手にするトリニティ 代表取締役社長の星川哲視氏

既に発表済みの「Liquid M330」を手にする日本エイサー 代表取締役社長のボブ・セン氏

今回のイベントは、日本マイクロソフトが日頃から発信してきた、"Windowsエコシステム"というキーワードを体現する仕組みを披露した形となった。満を持して発表したWindows 10 Mobileデバイスのラインナップは、同社のクラウドビジネスを加速させると同時に、Windows 10自身が持つ連係性を強化する存在となるだろう。Windows 10 Mobileの肝となるContinuumの動作に関しては、一定のハードウェアスペックが必要となり、万人が欲する機能と言い切れないが、ハイエンドスペックを好む我々日本人のニーズを鑑みれば、今回発表した6社から登場するWindows 10 Mobileデバイスに期待を寄せてもいいだろう。

阿久津良和(Cactus)