為末さんも太鼓判

その後、壇上には400mハードル日本記録保持者で、オリンピックや世界陸上で活躍した為末大さんが招かれた。為末さんは「ビデオの普及によって、自分のフォームを確認できるようになった。短距離走の世界では、これで記録が伸びた」というエピソードを紹介。そして「トップアスリートはもちろん、一般の方にとっても、姿勢保持はとても大事。なんとなくわかっていても、数値化されると違う」として、JINS MEMEはスポーツ文化に良い影響を及ぼすと太鼓判を押した。

また「現在、練習をしすぎる、オーバートレーニングが問題になっている」と指摘。JINS MEMEは、そうした怪我の防止にも役立つという。

400mハードル日本記録保持者の為末大さん(写真左)。陸上、テニス、野球、サッカーなど、さまざまなスポーツに応用できると期待を込めた

このほか「先制医療」の分野においても、活用が期待されている。この日は詳細が明かされなかったが、オムロンなどのメーカーとすでに研究・開発を進めているという。JINS MEMEではラボとして、SDK(ソフトウェア開発キット)を開発者に開放する。アイデアコンテストや開発者イベントなどを開催し、可能性をさらに広げていきたい考えだ。

会場には、開発者の提案するアイデアの一部がパネルで紹介されていた

メガネ市場を1兆円規模に

質疑応答で、中長期的なビジョンを聞かれた田中社長は「現在、4,000億円規模の国内のメガネ市場を、1兆円規模にまで拡大させたい。JINS MEMEはメガネが必要ない人にもかけてもらえる。利用者の裾野を広げるキラーデバイスになると期待している」と回答。続けて「日本発のイノベーションとして海外で展開して、世界一を目指せるように頑張っていきたい」と宣言した。

フォトセッションの様子。左から、東北大学の川島隆太教授、ジェイアイエヌの田中仁社長、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターの橋本健史氏