地図は効率化に貢献する
iRobot CEO 兼 共同創設者 コリン・アングル氏と、iRobot シニア・バイスプレジデント クリスチャン・セルダ氏が製品のプレゼンテーションを行った。コリン・アングル氏はiAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーションというテクノロジーについて、「ルンバ史上最大の革新」だと語り、アメリカの冒険家であるメリウェザー・ルイスとウィリアム・クラークを引き合いに出しながら説明した。
メリウェザー・ルイスとウィリアム・クラークは、未知の世界だったアメリカ西部を開拓した冒険家。探検しながら地図を作成し、行きは1年6カ月、帰りは6カ月で帰還したという。行きは何も情報がなかったが、帰りは山など障害物がどこにあるのかわかっていたため、効率よいルートをたどって帰ってこれたのだ。
「ルンバも家の中を地図なしで探検している。今までルンバは地図を作れなかったが、新しいルンバ980はiAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーションによってマッピングを実現した。マッピングすることで、一度通った場所はもう掃除しなくて済むうえ、特定の部屋だけでなくフロア全体を掃除できるようになっている」と、コリン・アングル氏は部屋の"地図"を作ることのメリットを語る。
家中をキレイにできるだけでなく、エネルギーを最適に使えるのも、地図を作ることのメリットだ。開けた場所では平行線を描くように動き、家具などが置かれて入り組んだ場所では搭載されたセンサーを駆使して動く。連続で最大2時間の掃除が可能で、稼働面積は最大112畳(185平方m)を実現した。
iAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーションでは、本体上部中央のカメラや本体底面のフロアトラッキングセンサーといった複数のセンサーで、フロア全体の間取りやルンバの位置情報などを把握し続ける。クリスチャン・セルダ氏は、「エンジニアの間で最も議論されたのは、『猫がルンバの上に乗ってしまい、カメラが隠れてしまったら』ということです。実際に隠してみても、動作には問題ありません。単一のセンサーではなく、複数のセンサーを使っているおかげですね」と会場の笑いを誘いながら、ルンバ980の特徴をアピールした。