話題の3D Touchは発展途上

iPhone 6sシリーズを代表する新機能といえば「3D Touch」だ。アップル自身も大きな話題にしているので、どんなものだろうかと気にかかっている人も多いだろう。画面を押す強さで反応が変わるインターフェースとしては、NTTドコモから販売されている「らくらくスマートフォン」が、「らくらくタッチ」として2012年から実装している。この場合は指が触れると画面上のボタンの色が変わり、強く押し込むと実際のボタンのように振動による反応を伴って初めてボタンが反応する、という、ボタン押下の感覚を再現することでユーザーエラーを減らす仕組みとして採用されている。

現行モデルの「らくらくスマートフォン3」にも「らくらくタッチ」が搭載されている。あまり知られていないのが残念だが、実によくできている

一方、アップルは3D Touchを「熟練ユーザーのためのショートカット」として実装している。3D Touchの機能のひとつ「クイックアクセス」は、アプリのアイコンから直接アプリの機能を選択するもので、「あ、すぐメールしなきゃ」というときは「ホーム画面に移動」、「メール起動」、「新規メール作成」が「ホーム画面に移動」、「クイックアクセスで新規メール作成」に1手間減らせることになる。

クイックアクセスのように、知ってれば便利だが、なくても困らないのが3D Touch。さすがにこういう機能を必須機能にしないだけの節度はあるようだ

ほかにもコンテンツをちょろっと見たいときのための「Peek」と「Pop」も、やはりショートカット的な機能として実装されている。

「Pop」よりは軽く押してポップアップさせる「Peek」のほうが多用する機会が多いように思える

3D Touchそのものの使い勝手は、自分で感度をある程度調整できることもあり、悪くはない。ユーザーが実際に触るところの作り込みの丁寧さは、さすがアップルだ。欲を言えば、初回起動時の設定画面にチュートリアル的にクイックアクセスやPeek、Popをちりばめて、ユーザーに喚起する丁寧さがほしいところだった。