“eXtended Capacity"なSDXC

32GBという大容量も、ビデオやデジカメの高解像度化、データの肥大化には対応しきれず、2009年に登場したのが「SDXC」規格だ。XCは「eXtended Capacity」の略で、フォーマットにはexFATを採用した。SDXCでは最大2TBまでが規格化されており、現在のところ最小が64GB、最大で512GBの製品が登場している。サイズもSDHC同様にSDカードサイズ、microSDサイズの両方がある。

SDXCとSDHCは非常によく似ており、購入する際は注意が必要だ。64GB以上の製品はすべてSDXC(画像はトランセンド製)

SHXCでは新たに「UHS-I」「UHS-II」というスピードクラス規格を採用し、UHS-Iでは最高転送レート104MB/秒、UHS-IIでは312MB/秒まで対応可能になる。ただしこれらは対応機器同士での速度で、非対応の場合はUHSスピードクラス1で10MB/秒、UHSスピードクラス3で30MB/秒を最低保証レートにしている。

SDXCもSDHC同様に上位互換製品であり、古い規格のメディアを読むことはできるが、逆にSDXCメディアを非対応のスロットに刺すと、データ消失を含むさまざまな問題が起きる。大変厄介なことに、スマートフォンには未だにSDHC規格のスロットしか搭載していない製品がまだ多く残っている。特に格安SIMフリースマホなどはSDHC対応のみということが多いため、スマートフォンでの使用を前提とするならmicroSDHCカードを買うのが一番安全・確実だ。またSDXCカード対応でも、64GBまで、あるいは128GBまでしか対応していない機種がある(最新機種でも128GB以上の容量に対応していない製品がほとんど)。自分の機種に対応した容量をよく確認しておこう。

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ここまでの内容をスマートフォンユーザーの視点からまとめてみると、

  • スマートフォンで使うなら「micro SD」規格のカードを買う

  • 互換性を考えるなら容量が最大32GBまでの「SDHC」規格にしておくのが安全。対応機種であればSDXCでもOK

  • 動画撮影などに使うならスピードクラスが高いものを選ぶ

という感じになる。以上のことをメモリカードを購入する際の参考にしてほしい。