既報の通り、米Appleは9月9日の午前10時(米国時間、日本時間では10日午前2時)にスペシャルイベントを開催する。次期iPhoneの新製品とiOS 9の正式公開がアナウンスされるとみられる同イベントだが、今回はさらに周辺情報から判断してその他の発表内容についても少し考察してみたい。

今回の9月イベントが過去最大規模になると予想する理由

前回、BuzzFeedのJohn Paczkowski氏が報じた「Appleのスペシャルイベント開催は9月9日」という話を基にした考察記事をまずはおさらいしてみる。

筆者はこの記事で「メディアへの招待状送付は日本時間で8月31日か9月1日」と予測していたが、実際にはそれより3日ほど早い28日となった。通常、Appleの招待状送付は1週間~10日ほど前というのが相場なので、当初の予測はこれを基にしたものだ。では、それより若干早めの予告となった理由だが、より多くの関係者に早めにイベントの存在を周知させる必要があるほど、イベントが大規模になるという考えはどうだろうか。これを裏付ける話がいくつかある。

招待状のキャッチコピーは「Hey Siri,give us a hint.」(Siri、ヒントをちょうだい)

1つは会場だ。前回のレポートでは「(次に発表されるとみられる) iPhone 6sの(マイナーアップデートという)性質を考えれば、会場は招待メディアを絞ったApple本社内のTown Hallが有力」という意見とともに、「だがもしAppleが別の会場を選んだとすれば、その会場規模に応じてイベントの規模が推し量れる」という見解も示している。今回の会場はApple系のイベントでは初となる「Bill Graham Civic Auditorium」だ。サンフランシスコ視聴者とは中央広場を挟んで斜め向かいに位置する建物で、本件の第一報を出したYoichi Yamashita氏も「収容人数7,000人」と説明している

これは前回のイベント会場となったFlint Centerの倍以上の規模で、おそらくはAppleが9月イベントに選定した会場としては(Moscone Center Westを除けば)過去最大クラスだろう。実際、筆者も過去にWindows関連の新製品発表会で2000年前後に何度か同ホールを訪れており、かなりの大規模イベントを開催できる場所だと認識している。仮に全部のスペースを使わなくても、会場を一部分割してタッチ&トライのコーナーとするだけでも、かなりの人数を収容できる。

興味深い話の2つめは招待メディアの数だ。今年6月のWWDCでメディアとして参加した人の話を聞いたところ、席の周囲がほとんどアジア人だったことに驚いたという。その内訳は大部分が中国からの招待メディアで、従来までは北京や上海など主要都市の主要メディアに招待を絞っていたのが、今年のWWDCからは招待枠を一気に広げ、内陸部のローカルメディアも含めて声をかけており、おそらくは中国からの招待メディアだけで100~150名程度の規模はいた可能性があるという。

会場に入れるメディア数のキャパシティから推察すると、これは全体の3分の1か4分の1程度に相当するとみられ、メディア席の多くを中国からの記者が占めていることがわかる。

もし、この人数ないしはそれ以上の数の記者が今回9月のスペシャルイベントへと到来すると考えると、全世界での招待メディアや"業界関係者"を合わせた会場の参加者は600~1000名程度に膨れあがると想定する。筆者は昨年のiPhone 6が発表された過去最大規模の9月イベントの参加者人数を300~400名程度と見積もっていたが、これだけで今回のイベントの規模が想像できるだろう。