リコー最大の開発拠点・海老名の「まちづくり」に参画

リコーは8月21日、商業施設「RICOH Future House」を、神奈川県の海老名駅西口に開設した。グランドオープンに先立ち行われた発表会と内覧会の様子をお伝えする。

RICOH Future House

海老名市は、小田急線・海老名駅東口エリアの開発に比べて、JR・海老名駅西口エリアの開発は遅れていた。そこで、海老名駅西口土地区画整理事業が2012年にスタートし、商業施設や住宅が建築中だ。一方、リコーは2005年に日本最大の研究開発拠点を海老名に開設したこともあり、このまちづくりに参画。リコーの新たなビジネスとしての展開も見据える。

場所は、ららぽーと海老名(10月開業予定)のすぐとなりという好立地

幅36mのプロムナードに面している。奥はリコーテクノロジーセンター新棟(C棟)

説明会では、リコー 新規事業推進センターの村上所長があいさつ。リコーはオフィス内の製品サービスをビジネスの柱として成長した一方、やるべきことはやりつくした感があるとした。

一方、従来のビジネスによって自治体とのネットワークに強みを持っている。昨今の地方創生の流れもあり、オフィスだけでなくまちづくりに貢献することがビジネスになるのではないかと考えたという。リコーグループの様々な力を結集し、新たな事業を創出するという意気込みを語った。

海老名には、2005年にテクノロジーセンターを開設しているかかわりで、西口の再開発事業の一環に参画。そのなかでまちづくりの話が出てきたとのこと。

具体的には、「まちづくり・まちの運営支援事業」、「まちづくりインフラ提供サービス事業」、「情報提供サービス事業」、「まちの中でのサービス提供事業」という4つを挙げる。今回の海老名においても、コンサルサービス、付帯設備提供、住宅のITコンシェルジュに加えて、RICOH Future Houseがそれぞれの事業に適合している。

リコー 新規事業推進センター所長の村上清治氏

オフィスをビジネスの場としていたリコーが、脱オフィスの事業を行う。海老名で成功したのち、他の地域にも発展させたいとのこと

続いて、RICOH Future House(以下、RFH)のプロジェクトリーダーである中村氏が、RFHの詳細を解説。先述の通り、RFHは海老名駅西口再開発事業の一環として発足。同地域では現在、多くの施設が建設中だ。ほぼ中央を貫く幅36m(車道16m+歩道各10m)のプロムナードに面した立地となっている。

RFHは、リコーの基幹ビジネスとしての「ものづくり」、新規ビジネスとしての「まちづくり」をつなぎ、地域の人々と共創・協創・協動していく「コトつくり」の場所として企画された。地域やまちと一緒に未来のビジネスを協創する場ということで、デザインコンセプトは「家」になったそうだ。

リコー 新規事業推進センターUDセンター RFHプロジェクトリーダーの村上英史氏

海老名駅西口 土地区画整理事業に参画。ちなみに「扇町」と正式決定したのは2015年6月。Google Mapsでは検索しても結果が出てこないし、Yahoo Mapsで「海老名 扇町」と検索すると、RFHが市庁舎にあると表示された

リコーが今まで行っていたものづくりと、リコーがこれから行うまちづくりをつなぐ場として、「コトづくり」がRFHの意義

RFHはリコーグループの三愛精神+環境と、知的創造を簡単にするための場としての意味も

RFHの具体的な構成は次の通りだ。地域とのつながりを想定した1Fの「RICOH Ebina Creative Shop」とカフェ&バーベキュースペース「PUBLIE」。学びの場として2Fのイベント&レンタルスペース「RICOH Future Hall」、3Fの子どもの遊び場・学習スペース「コサイエ」。そして新たな労働・共創・協創・協動として4Fに設けられる「RICOH Office&Lounge Ebina」となっている。

質疑応答では、ビジネスとしての目標や全国展開に関して質問があった。事業目標は非公開で長期的な発展を考えているいう。また、すでに他の自治体からの声掛けはあるものの、投資が多くなるのでまずは海老名の事業を成功させてから発展させたいという回答だった。

フロア案内。3Fと4Fは基本的に会員制スペースとなっている。2Fはイベント用フロアだ

1Fの1/3程度は周辺住民向けのプリンティングラボスペース。メニューはかなり豊富だ

Cafe&Barbecue Diner PUBLIE(パブリエ)も開設。屋外ではバーベキューを提供する

2Fは4つのホールとラウンジ、それにRICOH THETA DOMEがあり、持ち込んだTHETAの映像を再生できる

2Fで想定されているセミナーやイベントは、現在7テーマを予定

5mのドームスペース。THETAのプロモーションで活用されそうだ

3Fは小中学生を対象としたコサイエラウンジとコサイエラボを開設。ラウンジは基本月額会員制となっている

コサイエラウンジでは複数のプログラムを常時用意

ラボではリコーのほか、社外パートナーによるプログラムが実施される予定。目玉は日本初となる日本科学未来館とのパートナーシップだ