米Microsoftおよび日本マイクロソフトは、7月29日からWindows 10の提供を開始した。日本マイクロソフトの平野拓也社長は、Windows 10を「マイクロソフトの変革の象徴」と位置づける。Windows 10は、Windows 7およびWindows 8.1ユーザーへの無償提供のほか、ユニバーサルプラットフォームを採用。様々なデバイスにおいて1つのアプリが動作するようになるなど、新たな機能を搭載している。

去る7月29日には、東京・恵比寿のEBiS 303において、記念ファンイベント「Windows 10 Fan Celebration Event」を開催。約500人のファンが招待され、Windows 10の提供開始を祝福した。「ファンの熱さに驚いた」と平野社長は語る。日本マイクロソフトの平野社長に、Windows 10の取り組みなどについて聞いた。

―― いよいよWindows 10の提供が開始されました。どんな気分で7月29日を迎えましたか?

日本マイクロソフト 取締役 代表執行役 社長 平野拓也氏

平野氏「まるで、子供が成人して、成人式を迎えたような気分ですね(笑)。というのも、Windows 10の開発においては、Windows Insider Programを採用し、多くの方々に使っていただき、そこからのフィードバックをもとに開発しました。

これは、従来のWindowsの開発手法とは大きく異なる点です。全世界で500万人が参加し、300万件に及ぶ声をいただき、それを反映するといった、これまでとは違う作り方をしてきました。子供が成長していくように、どんどん進化を遂げ、7月29日を迎えたというわけです。ぜひ、いろいろな方に使ってほしいですね」

―― 7月29日の前日はちゃんと寝られましたか。

平野氏「いや、眠れなかったですね(笑)。ドキドキ感、ワクワク感があって、なかなか寝付けなかったですし、しかも、早く起きちゃいました。もっと眠れたのに、悔しかったですね(笑)」

―― 7月29日には、東京・恵比寿のEBiS 303において、記念ファンイベント「Windows 10 Fan Celebration Event」を開催しました。そのとき平野社長は、黒いTシャツを着てステージにあがりましたね。これには意味があるのですか。

「0」と「1」、2進数の並びにはきちんと意味があるとか

平野氏「このTシャツは、米国のMicrosoft本社が作りました。先日、米国に行ったときに入手しまして、それを着てステージにあがったわけです。

このWindowsのロゴマークは、0と1の数字で構成されているのですが、実は、これにも意味があります。この0と1の数字を読み解いていくと、Windows 9がなくて『10』になった理由が書いてあるんですよ」

―― えっ、その理由はなんですか。

平野氏「ここには、『Becouse Windows 7 ate 9』と書かれているんです。つまり、Windows 9がない理由は、7が9を食べちゃったからということなんです(笑)。英語のダジャレなんですが、Windows 7、8、9と読ませて、eatの過去形であるateを用いたわけです。遊び心を持ったメッセージなんですよ」

―― 日本マイクロソフトにとって、7月29日はどういった日と位置づけられますか。

平野氏「Windows 10は、マイクロソフトの変革の象徴であるといえます。これまでは、『Windows = PC』というような印象があったと思います。

ユニバーサルプラットフォームを採用したWindows 10は、スクリーンがないIoTデバイスやセンサー、スマホやタブレット、PC、エンターテイメント機器、そしてクルマまで、1つのOSですべてに対応できる。しかも、それがスタンドアロンではなく、クラウドで連携し、ビッグデータを活用しながら、様々なメリットを提供できるものになります」

7月29日開催の「Windows 10 Fan Celebration Event」でスピーチする平野社長と(写真左)、イベントの1コマ(写真右)