8月7日からWindows 10のパッケージ版およびダウンロード版の予約受け付けが始まった(発売は9月4日)。既報のとおり、米Amazonは8月30日から販売を開始するので、日本国内は数日遅れのスタートとなる。
パッケージ版の価格は、Windows 10 Homeが13,800円、Windows 10 Proが25,800円(ともに税別)。PCパーツとセットで販売されるDSP版よりも若干安い。なお、パッケージ版のメディアはUSBメモリのみ。光学ドライブを備えていないPCやタブレットが増えていることからDVD-ROM版の提供を見送ったのだろう。Microsoft Storeではダウンロード版も選択できるが、原稿執筆時点では「近日公開」となっており、予約を受け付けていない。
Windows 10の販売開始に伴い、現行のWindows 8.1やWindows 8.1 Pro、Windows 8.1 Pro Packのパッケージ版およびダウンロード版は8月31日をもって出荷を終了する。ちなみに、Windows 8.1のパッケージ版は2013年10月18日に発売され、Windows 7は同月31日に出荷を終了した。
そのWindows 10だが、Microsoftは更新プログラム「Service Release 1」として「Cumulative Update for Windows 10」を8月5日(現地時間)にリリースした。変更が加わるファイル数は3,912アイテムにもおよぶ。文字どおり、累積したアップデートだ。あくまでも噂レベルだが、10月には「Service Release 2」も予定しており、Microsoft EdgeへJavaScriptベースの拡張機能追加や、新たなメッセンジャーが搭載されると、多くの海外メディアが報じている。
The Vergeの記事によると、iOSのメッセージとFaceTimeに似たサービスとしてSkypeの統合を目指すそうだ。さらにバッテリー寿命の延長もService Release 2では実現する予定である。
Windows 10は、Windows 7の使い勝手のよさとWinodws 8.xで加わった新機能を備えたOSながらも、一部に不安定さが見受けられるのは実に残念だ。筆者が体験した限りでは、2年間使い込んだWindows 8.1からアップグレードした際はコンテキストメニューの「設定」から「ディスプレイ」を起動すると「このオペレーティングシステムではms-settings:displayは実行されません」というエラーダイアログが出るトラブルに悩まされた。
関連付け設定の修正などいくつかの方法を試みたが解決せず、Windows 8.1の新規インストール環境からアップグレードしたところ前述のトラブルは改善したが、Cumulative Update for Windows 10を適用したところ、今度は本稿執筆中に「設定」が起動せず、スタートメニューも開けなくなってしまった。イベントログによると「CortanaUI のライセンス認証がエラー」で動作しないという。この他にもレジストリにキー名が理由でアクセスできないエントリーが加わるトラブルに出くわした。
後者はインストールしたアプリケーションとの相性で発生したと思われるが、前者はInsider PreviewはもちろんTechnical Preview時代にも現れなかったトラブルである。ネット上ではPowerShell経由で修正を行うという情報も見かけたが、筆者の環境では改善しなかった。前述した新機能も興味深いが、まずはモジュール間の整合性などリソース管理向上をMicrosoft開発陣には強くお願いしたい。
阿久津良和(Cactus)