説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「テザリングを使ってもいないのに、キャリアから通信制限を受けました!?」という質問に答えます。

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iPhoneを扱う国内の通信キャリアすべてがテザリング機能を提供していますが、通信制限はテザリング限定ではありません。モバイル回線を経由するすべてのデータ通信(IP電話アプリ含む)が対象であり、テザリングはその一部にすぎません。

ということは、テザリング以外のデータ通信を利用しすぎた可能性があります。特に、YouTubeやHuluなどの動画配信サービスは大量のデータを転送するため、1日数時間のペースで鑑賞を続ければすぐ1カ月の上限に達してしまいます。FaceTimeやSkypeなどのビデオ通話機能も同様で、可能であればWi-Fi接続時に利用すべきサービスといえます。

最近では、「Apple Music」も無視できない存在となりました。Apple Musicには、キュレーターが作成したプレイリストを自分の再生履歴をもとに推奨してくれる「For You」、指定した曲と類似のジャンル/アーティストの曲を次々再生してくれる「ステーション」など、自分が聴いたことのない曲を楽しませてくれる機能が用意されています。

Apple Musicで扱う曲のフォーマットはAAC/256kbpsですから、1曲5分としてもデータ量はせいぜい10MB程度ですが、1時間聴き続ければ100MBを超える計算になります。通勤/通学が片道1時間として、その道すがらApple Musicを聴き続けたとすると、1日あたり200MB、10日で2GB、30日で6GB……程度の差はあれ、通信制限を受ける要因にはなります。

なお、Apple Musicはモバイル通信をオフにすることで、Wi-Fi接続時以外の曲の再生(ストリーミング/ダウンロード)を禁止できます。自分の知らない曲を楽しめるApple Musicらしさは損なわれますが、通信制限を受けるとiPhoneの使い勝手に大きく影響しますから、月末近くなったときにはやむをえない措置といえます。

「For You」などApple Musicらしい楽曲リコメンドサービスは、Wi-Fi接続時のみとなってしまいますが、通信制限を回避したければモバイル通信をオフにします