Intel Optimized SMP LINPACK Benchmark package Version 11.3.0.004(グラフ9~12)

Intel
http://software.intel.com/en-us/articles/intel-math-kernel-library-linpack-download/

先にPCMark 8の所で述べた「性能のバラつき」その1がこれだ。結果を見てもらえば分かるとおり、Skylakeの性能はBroadwellと同等程度に落ちており、Haswellに大差を付けられているという謎の結果である。

なぜこんな結果になってしまうのか非常に理解に苦しむのだが、一応仮説というか考えられることとして、LINPACKの場合、Intel製ということもあり、プロセッサごとの最適化がきちんと済んでいることが挙げられる。

LINPACKではIntelのMKL(Math Kernel Library)をベースにしており、MKLはアーキテクチャを自動判別、それにあわせて最適な動作にしてくれるのだが、今回のテストの実施時点ではSkylakeは未公開のものであり、Skylakeへの最適化が行われているかも怪しい。

つまり、Skylakeでは自動認識が間違った判断をして、例えばAVX2を使わずに実行したとかで性能が低くなっているという可能性もあるし、あるいはSkylakeはFPU周りの最適化方法が異なっており、従来のままだと性能が出ないという可能性もある。

ただ、後で出てくるSandraではそれなりにFPU性能が高速であり、また一般にAVX2がサポートされている/いないはCPU FLAGSで判断できる(Photo16でサポートされている拡張命令一覧が出てくるが、ちゃんとAVX2はサポートされていると示される)から、実はどちらの仮説もかなり怪しい。つまるところ、現状ではまだ「なぜ?」が判断できないというのが正直なところだ。