低照度撮影とスロー撮影は表裏一体
今回、第四世代のRX100 IVにおいてはセンサーを大きく変えた。ポイントはセンサーの性能そのものではない。センサーに付け加えられた「機能」だ。
RX100 IVでは、最大960fpsのスーパースロー撮影が可能になった。静止画ではなく動画が軸になり、いきなり飛躍したように見えるが、テクノロジーの進化の方向性としては、同じ軸になる。
スロー撮影では、1コマを記録するための時間が短くなる。ということは、それだけ少ない光量で映像を構成する必要がある。暗いところでもきれいに撮れるカメラと、スロー撮影ができるカメラは、技術的にいえば表裏一体なのだ。
正直なところ、「静止画をきれいに撮影したいカメラ」に「動画の機能を充実させていく」ことは、製品価値として受け入れられるのだろうか……という印象もある。しかし、4Kテレビが好調に売れつつある現在、4Kの映像をスマホよりもきれいに、しかも手軽に撮影する機器として、高級デジカメにフォーカスが当たるのは理解できるところだ。
ライバルであるパナソニックは、高級カメラによる4K撮影において、機能面でも画質面でも、ソニーよりも先を走っている。パナソニックの製品でも、使われているのはソニーのセンサーだ。センサーのトップメーカーであり、昨今のトレンドを作った企業という自負もあるソニーとしては、4K動画について、この辺でしっかりと追いついておきたい、という考えもあるのではないだろうか。
そうした部分は特に、RX100 IVと同時発表された高倍率ズーム機「RX10 II」から見えてくる。24-200mm・全域F2.8のスペックが評価された前モデルと、レンズ面では変わりがない。しかし、ズーム動作音をより小さくしたり、オートフォーカス速度を速めたりと、動画向けの機能改善点が多い。