ポテンシャルの高さは強く感じるが、問題は価格

短時間ではあるが実際に使ってみた感想としては、ナビの弱さはあるものの、操作感は非常によく、将来性も含め、これなら自分のクルマでも実際に使ってみたいと思わせるものがあった。動画再生などに対応していない点も、運転中の視線移動を最小限に抑える意味から重要なことであり、アップルはよく研究していると思わされた。

SPH-DA700の弱点としては、ナビ機能がないにもかかわらず9万円という価格にあるだろう。これは比較的安いナビが付けられてしまう値段だ。値引きにもよるが、実売は7~8万円といったところであり、取り付け作業費まで込みで10万円近くもしていたらなかなか手が出ない。これが5万円前後で買えるようになったら、だいぶ普及が進むと思うのだが、ナビメーカーとしては自分たちのテリトリーに入り込むCarPlayを野放しにしておくわけにもいかないだろう。実に面倒臭い状況だ。

米国ではケンウッドからCarPlayとAndroid Autoに両対応したAVユニットも登場しており、いよいよスマートフォンによるナビのリプレースが本格化する。そろそろ国内市場でも考え方を改めて、スマートフォンと共存していく方向性にしていったほうがいいのではないだろうか。

ケンウッドが米国で発表したDDX9702SとDDX9902S。どちらもCarPlayとAndroid Autoに両対応している