説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『付属の「マップ」アプリはカーナビに使える?』という質問に答えます。

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もちろん使えますが、機能的にじゅうぶんかどうか、満足できるかどうかはまた別の話です。他に有効な選択肢があるのであれば、ぜひ検討すべきでしょう。

iOSに付属の地図アプリ「マップ」は、iOS 6のとき大幅にリニューアルされました。iOS 5までは、Googleが開発にあたり地図データもGoogleのものを使用していましたが、iOS 6以降はApple自社開発となり、データも独自のものを使用するようになりました。

機能面でいえば、自動車のナビゲーション機能が搭載されていますから、いわゆる「カーナビ」としての用途には活用できます。もちろん音声案内に対応していますし、次の右左折までの距離を適切なタイミングで教えてくれます。

他のマップアプリにないナビゲーション機能もあります。たとえば、ロック画面にナビゲーション画面を表示できるのは、標準装備の「マップ」だけです。ナビゲーションの途中でアプリを閉じたとき、ホーム画面のステータスバー下に「タッチしてナビに戻る」が表示され、すぐにナビゲーション画面に復帰できるのも「マップ」ならではです。

しかし、高速道路/有料道路を使わないというオプションが用意されていない、リアルタイムの渋滞情報が表示されない(日本で利用する場合)など、カーナビに期待される機能に乏しいことは否定できません。ルート案内の選択肢も豊富とはいえず、そのあたりは他のマップアプリのほうが洗練されています。同じく無償利用できるのであれば、「マップ」に固執する必要はないでしょう。

最新の道路状況が反映されるまで時間がかかることも、スマートフォンのマップアプリとしては痛手といえるでしょう。たとえば、圏央道海老名~寒川北間が2015年3月8日に開通されましたが、「Yahoo! 地図」は即日対応、「Google Maps」も数日以内に地図データが更新されました。一方、「マップ」の地図データは3月13日現在変わりなく、高速道路のある場所にはなにも表示されていませんから、データの「質と量」に差があると言わざるをえません。

圏央道海老名~寒川北付近を「マップ」(左)と「Yahoo! 地図」(右)で表示したところ、内容には大きな差がありました