マイクロソフトのデバイス元祖はマウス

先日、日本マイクロソフトから今月末(2015年5月)発売予定のデザイナーマウス「Designer Bluetooth Mouse」が送られてきた。おかしいなぁと思いつつ開封したところ(編注:おかしいと思ったら聞いてくださいよ)、実はマイナビニュース編集部が間違えて送ってしまったとのこと。ではレビューしてという話になった…。

「Designer Bluetooth Mouse」。デザイン性にこだわりを感じるので背景を少しだけ凝ってみました

日本で一般のPCにマウスを広めたのはマイクロソフトだ。話は30年ほど前になるが、高校生の時にとあるPC雑誌の編集部でアルバイトをしたことがある。当時その部署で仕事をしていた別の方は「PC-8801用のトラックボールのソフト」を作成していた。トラックボールというのは機密保持の一環で、実際に発売されたのはマウスだった。キーボード、マウス、WebカムといったPC周辺機器に関して、マイクロソフトは長い実績を持っているのだ。

ぜい肉をそぎ落としたスタイリッシュマウス

今回のDesigner Bluetooth Mouseを一言で表すと「シンプル」に尽きる。マウスとしての機能は光学1,000dpiトラック+左右ボタン+ホイール(ホイールクリックあり・チルト機能なし)で、Windowsロゴのボタンはない。外見も艶消しブラックで、よくよく見るとMicrosoftロゴが塗装されているとわかる程度。裏も電源/ペアリング兼用のボタンと「Bluetrack TECHNOLOGY」のロゴが印字されているだけだ。

デスクトップ・マウスとしてはかなり薄い

マウスの両サイドを持つより、手のひらを上からかぶせるようにしたほうが使いやすいかもしれない。ホイールの回転は少し硬めだ

日本マイクロソフトの「Arc touch mouse(アーク タッチ マウス)」と並べてみた。黒いほうがDesigner Bluetooth Mouse、グレーのほうがArc touch mouse

Designer Bluetooth MouseとPCとの接続はBluetooth 4.0のみで、Bluetooth 3.0以前には対応していない。WindowsやMacだけでなくAndroidにも対応だが、Windowsの場合、公式ではWindows 8以降の対応となっている。

良くも悪くもシンプルで、必要最低限のものを残してぜい肉をそぎ落としたというのがデザイナーの感性なのだろう。高さ方向も低く、26mmとかなり平べったい。親指と薬指でマウスの両サイドを持つというより、手のひらで押さえつけるようにするのがよいと感じた。電源は単4形乾電池×2本で、Bluetooth接続の割には公称半年という長めのバッテリライフを持つ。

【左】表面のMSロゴ。角度によっては見えなくて、地味なあたりがデザイナーのこだわりか。【右】表も地味なら裏も地味。この写真だと文字は見えない。外周に沿って光って見えるのが、いわゆるスリップパッド。全周に沿っているので凸凹のある場所でも引っかかりにくい

設定もシンプルだ。電源ボタンを3秒間押しっぱなしにすると、マウス底面にあるブルーのライト、およびスクロールホイール下の白いLEDがゆっくり点滅してペアリングモードになる。また、電源ボタンを短く押すと電源のON/OFFだ。白いLEDと言ってもかなり輝度を落としている。

Bluetrack TECHNOLOGYを使っていることもあり、マウスそのものの追従性は悪くない。Bluetrack TECHNOLOGYは青色LEDを使ったトラッキングセンサー技術だ。通常のマウスだと、底面にスリップパッドが貼ってあるので少々凸凹したところで扱うと引っかかることがあるが、本マウスの場合は全体に滑る部分を設けているため引っかかり感が少ない。

背面も、角度によっては電源/ペアリングとBluetrackロゴが見える程度。下に見えるスリットは電池フタで、反対側を押すとテコの原理で浮き上がる仕組み

【左】電池フタを開けたところ。電池はアルカリ単4形電池×2本が付属するが、ここではニッケル水素電池を入れてある。【右】表面インジケーター。白というよりも電球色っぽく、これまた地味な光り方をしている

機能が足らないと思われるかもしれないが、実際に触った感じで言えば、薄さやフォルムから感じるスタイリッシュさに好感が持てる製品だ。特に軽量なところを生かして、移動時に利用するとよさそうだ。ただし、カバンの中で擦れて傷をつけては台無しだと思うので、何らかのポーチに入れて持ち運びたい。大きさ的にダブついてしまうが、デジタルカメラ用で売っている「ツヤぴかケース」を100均ショップで買ってくるのが手頃だと思う。

本文で触れたツヤぴかケース(使用中で汚れているのはご勘弁)。この大きさだとコンパクトデジタルカメラを入れるのに便利なのと、裏地がマイクロファイバー素材で入れておくだけでピカピカなので愛用中

【左】もうちょっとデザイン性のいいポーチはないかと部屋を漁ったところ、ハクキンカイロ収納袋が出てきた。正絹の大島紬の端切れで作った一品モノ。【右】あとから買った予備(一品モノなので生地・柄が違う)。タブレットを使うご年配の方が増えているが、ハンドバッグからこんな袋に入れたマウスが出てくると、渋くていいかもしれない