事業本部制からカンパニー制に移行

事業ポートフォリオの再構築として、現在の2ビジネスグループ8事業本部体制を、カンパニー制に再編。2015年10月1日付けで、顧客や事業特性に応じて、コンシューマーエレクトロニクスカンパニー、エネルギーソリューションカンパニー、ビジネスソリューションカンパニー、電子デバイスカンパニー、ディスプレイデバイスカンパニーの5つのカンパニーを新設する。また、各販売会社についてもカンパニーの傘下に編入させ、一気通貫の体制とする。

事業ポートフォリオの再構築計画

「不採算事業からの完全撤退を図るとともに、成長分野へのリソース集中、各事業領域での新規分野への取り組みを進めることで、安定的で、高付加価値な事業構造を確立する。コンシューマエレトクロニクスとエネルギーソリューションは、売り上げを追うのではなく、確実に利益がでる収益構造を確立する」と高橋社長。

また、「カンパニー制における最も重要な狙いは、ひとつひとつのカンパニーの社長が、財務3表に基づき、自らの責任のもと、自律した経営を行うことである」と述べ、全社として規律のあるスピード経営を目指すとした。

液晶事業の分社化は「考えていない」

デジタル情報家電、通信、健康・環境で構成されるコンシューマーエレクトロニクスカンパニーは、販路基盤が強固な日本とアジアを主戦場として、新たな事業を立ち上げる一方、不採算事業にはしっかりとメスを入れる。

「本格的なIoT時代を迎えて、あらゆるものがネットワークにつながる時代がやってきている。テレビ、通信、白物家電の技術を有するシャープは、これをビジネスチャンスと捉えて、人と家電の新たなつながりを提案していく」として、いままでの形で事業を続けるのではなく、シャープが持つ新たな技術を活用することで、3つの事業の融合効果による新たな商品、新たな事業を創造していく。

コンシューマーエレクトロニクスカンパニーの狙い

また、液晶テレビ事業については、欧州に続き、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドにおいて事業終息を図り、米国でも生産および販売に関してアライアンスを含めた構造改革に取り組むという。こうした取り組みにより、2015年下期に液晶テレビの営業黒字化を図る予定だ。

2017年度の売上高は1兆200億円。年平均売上高成長率は1.2%増を計画。営業利益率は3.0%を目指す。なお、液晶事業の分社化について高橋社長は、「完全に社外に切り出していくということは考えていない」と述べた。