クライアント側も再確認

11ac対応のルーターに切り替えるにせよ、クライアント側が対応していなければあまり意味がない。11ac対応機器はどれくらい増えているだろうか?

まずiPhoneでは、最新のiPhone 6/6 Plusが11ac対応だ。ただしMIMO対応ではないので、リンク速度は最大で433Mbps止まりだ。WPSやAOSSには対応していないが、最近はアプリで簡単接続できるものが増えている。

Androidスマートフォンでは2013年の夏モデルから11ac対応のものが増えている。ただし、2×2 MIMOに対応しているのは昨年秋モデル以降のハイエンド製品からの対応だ。一方、SIMフリー端末として販売されているミドルレンジクラスの場合、11ac対応の機種は、発表されたばかりのZenFone 2以外存在していない(ZenFone 2は価格帯以外はハイエンドと言っていいが)。

タブレットの場合、iPad Air 2が11ac対応で、最大867Mbps(2×2 MIMO)に対応。AndroidタブレットではNexus 9やXperia Z3 Tablet Compactなどが11acおよび2×2 MIMOに対応している。Android派生も含めれば、Kindle Fire HDX 8.9(2014年モデル)も11acの2×2 MIMO対応だ。

一方ゲーム機やAV機器では、11ac対応の製品はまだ存在しない。こうした機器を11acに対応させるためには、イーサネットアダプタ、あるいは子機と呼ばれるものを有線LANポートに接続すればいい。ルーターには子機が同梱されている製品もあるので、よく選んでみよう。

モバイルルーターに関しては、ドコモのLTE-Advanced対応と、au/UQのWiMAX 2+対応製品がそのまま11ac対応モデルになっている。いずれも433Mbpsまでの対応だ。現在利用中のルーターが11ac非対応の場合、急いで切り替える必要はないが、2年縛りが終わるなどして、機種変更できるタイミングになったら、最新の端末を選ぶといい。MVNO向けの、SIMロックフリーのルーターについては11ac対応機種が登場しているので、これを選ぶといい。

「AtermMR03LN」(NEC)。NTTドコモのLTE回線に対応したSIMロックフリーのモバイルルーター。LTE-Advancedに対応していないものの、唯一11ac(433Mbps)に対応している。現在のベストバイだろう

無線ルーターは数年単位で使う機器なので、なるべく上の規格をサポートしたものを選んだほうが、結局は長く使え、トータルでは安上がりだったということも多い。将来のことも気にかかるが、11acの「次」の規格の登場はまだ当分先になるはずなので、今は11acのことだけ考えておけばいいだろう。

次回は最終回として、無線LANを使う上での注意事項について紹介したい。

(記事提供: AndroWire編集部)