ミドルレンジからは機能性を重視

通信速度が867Mbps以上のミドルレンジ機器については、アンテナが2組の2×2 MIMOを採用しており、11nでも2.4GHz帯、5GHz帯ともに300Mbpsに対応する製品がほとんど。価格帯は1万円前後からと比較的購入しやすく、多くのユーザーはこのレンジの製品を選べばいいだろう。

ミドルレンジの製品以上はアンテナが複数組あったり、処理能力がエントリーモデルよりも高いことから、MU-MIMOやビームフォーミングといった11acならではの機能をサポートしていることも多い。こうした機能に対応しているかどうかを事前にチェックしておこう。

「Aterm WG1200HP」(NEC)。壁掛け可能なコンパクトサイズながら2×2 MIMOに対応しており、ビームフォーミングにも対応している。有線LANもギガビットイーサ対応なので、光回線にもしっかり対応できる

通信速度が1.3Gbps以上のハイエンド製品に関しては、ノートPCなど3×3 MIMO製品が多い環境や、接続する機器が多い環境でMU-MIMOなどを有効活用したい場合に選びたい。ハイエンド製品は電波の出力も高いものが多いため、一軒家など広い場所で使いたい場合にも有効だ。

ハイエンド製品は1万円台後半からの価格帯になるが、一度購入すれば規格が大きく変わるまでの数年は使うものだけに、思い切って上の価格帯を狙うのも、ひとつの選択肢だ。このクラスでケチケチしても仕方がないので、最上位機種の指名買いもアリだ。

「RT-AC87U」(ASUS)。4×4 MIMOに対応し、最高速1.73Gbpsを叩き出す、現時点で市場で入手可能な最強モデル。値段もサイズもヘビー級だが、相応の性能が期待できる

なお、最近プロバイダー等からレンタル等の形で配布されるようになったルーターにも、11ac対応のものが増えてきている。たとえば現在フレッツ光のギガビット対応サービスで使われているホームゲートウェイは1.3Gbps対応の11ac対応ルーターなので、改めて購入し直す必要はない。逆に、1年以上前から使っているルーターであれば、ほとんどが11n対応止まりのはずだ。

「PR-500KI」(NTT東日本)。NTT東日本がフレッツ光ネクスト ギガファミリー/ギガマンションで提供しているギガホームゲートウェイ。無線部は11ac対応で1.3Gbpsでの通信が可能だ