HBOがAppleと提携、今年はTVが変わる!?

米Appleが9日に米サンフランシスコで、2015年最初のスペシャルイベントを開催した。大方の予想通り、同社は「Apple Watch」の発売日を発表したが、それだけではなかった。「ノートブックの再発明」に挑んだ12インチ「MacBook」、HealthKitの新たな展開となる「ResearchKit」、TV産業の変化を予感させる「HBO Now」など盛りだくさんの内容で、90分を超える長丁場だったが、刺激に満ちた製品発表会になった。

会場はサンフランシスコ市のYerba Buena Center for the Arts、9月のiPhoneイベントなどに用いられることが多い施設だ

キーノートは、1月に中国の西湖にApple Storeが開店した様子のビデオから始まった。昨年からAppleのキーノートに中国のApple Storeがよく登場するようになったが、それだけ中国においてApple製品市場が急速に成長しているということだろう。

現在中国のApple Storeは21店、来年の半ばには40店に達する

最初に取り上げられた製品は「Apple TV」だった。ケーブルTVチャンネルHBOのRichard Plepler氏(CEO)が登場し、Apple TVでサブスクリプション制の映像ストリーミングサービス「HBO Now」を提供すると発表した(4月開始、14.99ドル/月)。HBOはこれまでケーブルTVサービスの契約者を対象にネット配信サービスを提供していた。ネット配信サービスだけど、ペイTVの契約が必要だったのだ。それがHBO Nowで初めてケーブルTVサービスなしでHBOのストリーミングサービスにアクセスできるようになる。HBO Nowは日本のApple TVユーザーには関係のない発表だが、米TV産業で強い影響力を持つHBOがケーブルTVネットワークから離れてネット配信サービスを開始するインパクトは大きい。ネット配信へのシフトが一段と加速しそうだ。Tim Cook氏(Apple、CEO)は「Apple TVはTV視聴を再発明するものであり、これは始まりに過ぎない」と述べた。Apple TVは長らくAppleにとって"ホビー"という位置付けだったが、今年は大きなインパクトをもたらす存在になるかもしれない。新製品登場の期待も高まる。

ケーブルTVのパートナーと呼べる存在だったHBOが、Appleと提携してApple TVでストリーミングサービスを提供

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