Apple Pay、CarPlay、HomeKit、社会に浸透するiOSの世界

iPhone 6シリーズの大ヒットで、iPhoneの累積販売台数が7億台を突破した。iPhone 6シリーズは99%のユーザー満足度を達成しているそうだ。

昨年リリースしたiOS 8でAppleは、Apple Pay、CarPlay、HomeKit、HealthKitといったiOSを中心としたエコシステムの拡大に取り組み始めた。モバイルペイメントサービスのApple Payは米国でのサービス開始から3カ月で使用できる店舗が3倍に増加した。Coca ColaがApple Pay対応の自動販売機を米国で40,000台展開しており、年末までには100,000台に増やす計画だという。iPhoneを車載システムと連動させるCarPlayは発表から1年とかからずに全ての自動車ブランドで採用されるようになり、iOSでスマートホームを実現するHomeKitも1月に開催されたCESで対応製品が続々と登場した。

Coca Colaが米国に設置しているApple Pay対応の自動販売機

長い目で見て社会を大きく変える可能性を備えるのが、人々の健康や医療に関わるHealthKitである。この日、Appleはヘルスに関する新たな取り組みを発表した。研究データの収集にiOSデバイスを活用するソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」だ。

医療の発展のために研究者や医療関係者は患者からのデータを必要としているが、安定して継続的にデータが集まらないという問題を抱えている。ResearchKitは、患者のプライバシーを保護し、患者に負担をかけずに正確なデータを取得するソリューションの開発を支援する。すでにぜんそく、乳がん、心臓血管疾患、糖尿病、パーキンソン病の研究用アプリが開発済みで米国での提供が始まった。ResaerchKitは4月にオープンソースのフレームワークとしてリリースされる予定だ。

iPhoneに向かって「あ~」と声を出してもらう。簡単なテストだが、マイクが録音した音声を解析したパターンはパーキンソン病の進行を判断するためのデータになる

パーキンソン病の研究アプリ「mPower」では、協力する意思のある人が手書きの署名で簡単にサインナップできる。データは匿名化して記録され、研究アプリで収集したデータにAppleがアクセスすることはできない