インターフェイスの特徴は?

1年前にUbuntu Touchのインターフェイスを触った範囲では、画面の4隅から中央に向かってスワイプ動作を行うことでアプリを切り替えたり、メニューを移動したりと、さまざまな機能が呼び出せ、ちょうどWindows 8のUIに近い体裁だった。だが前述のFlymeのように、こうした仕組みと標準UIは必ずしも強制されるものではなく、メーカーによるカスタマイズがある程度許容されているようだ。これはUIを厳密化しつつあるGoogleのAndroidや、そもそもカスタマイズを許容していないWindows Phoneなどとは大きく異なる。

また、基本となるアプリはLinuxでネイティブ動作するクライアントが用意されているほか、サードパーティのデベロッパーがアプリを開発できるよう、HTML5をベースにしたSDKが用意されている。このHTML+CSS+JavaScriptという発想はFirefox OSのそれに近い。また開発言語としてはQtを利用するQMLや、C++なども利用可能だという

もともと、Ubuntu TouchはLinuxディストリビューションであるUbuntuにタッチUIをスキンとして被せたものであり、仕組みそのものは普通のLinux OSだ。ゆえにLinux向けに開発させたネイティブアプリをそのまま実行することが可能だ。

ただし、X11が現時点で提供されていないため、いわゆる"ウィンドウ"やGUI部品を使ったデスクトップアプリケーションはそのままでは動作しない。とはいえ、使い方しだいでは「Linuxが動作する小型コンピュータ」として開発者の裁量でいろいろカスタマイズが可能と考えられ、ある意味でギーク向けの端末ともいえるかもしれない。 おそらく、一般向けの端末として成功することは難しいが、日本でギーク向け端末として「Fx0」がKDDIから発売されたように、ニッチを対象に一定のファンを獲得できる可能性はある。その意味で、これが大々的にプロモーションされるとみられる、MWC 2015での動向に注目したい。