キヤノンの「PIXUS MG7530」(以下、MG7530)は、2014年秋冬の新モデルとして発売された家庭向けインクジェット複合機「MG」シリーズのフラグシップモデルだ。前モデル「PIXUS MG7130」と比べて基本性能はあまり変わらないものの、本体サイズが若干コンパクトになり、NFC対応やスマートフォン/タブレット向けアプリのアップデートによって、使い勝手が向上した。

【レビュー】駆け込み年末プリンタ 2014
キヤノン「PIXUS MG7530」 - NFCで素早く印刷などスマホ/タブレット連携が大きく進化
エプソン「Colorio EP-807A」 - 性能面は前モデルに準ずるが使い勝手は確実に向上
エプソン「Colorio PF-70」 - 写真やハガキやシール印刷が楽しいコンパクトボディ
ブラザー「PRIVIO NEO DCP-J4220N」 - A3対応ADF装備のお値打ちモデル
日本HP「HP Officejet 5740」 - 仕事でも個人でも使える高機能・低コストがうれしい

PIXUS MG7530

■主な仕様 [製品名] PIXUS MG7530 [インクシステム] 6色独立(染料:ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ) [プリント解像度] 最高9,600×2,400dpi [最小インク滴] 1pl [イメージセンサー] CIS(光学2,400×4,800dpi) [最大用紙サイズ] A4 [自動両面印刷] 対応 [FAX] なし [インタフェース] USB 2.0、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、100BASE-TX対応有線LAN、メモリカードスロット [液晶モニタ] タッチ対応3.5型カラー液晶 [本体サイズ/重量] W435×D370×H148mm/約7.9kg [大手量販店価格] 17,000円前後

本体サイズが(やや)コンパクトになりNFCにも対応

MG7530の特徴のひとつとして、2013年モデルのMG7130よりも本体サイズが小さくなって軽くなった点が挙げられる。インクジェット複合機は本体サイズが大きくて重くなりがちなので、これはうれしい改善点だ。

どれくらい変わったのかというと、幅が31mm、重量は300gほど減った。接地面積で見ると6%の減少、重量については3%程度だ。筆者は昨年の記事でMG7130をレビューしているのだが、新モデルのMG7530を見ても大きさや重量の変化はあまり感じられなかった。とはいえ、既存モデルからのダウンサイジングには相当な努力とコストが必要になることが多い。前モデルの筐体をそのまま継承せず、少しでも小さくしたメーカーの心意気を評価したい。

MG7530とMG7130のサイズ/重量の違い
機種名 本体サイズ 重量
MG7530 幅435×奥行き370×高さ148mm 7.9kg
MG7130 幅466×奥行き369×高さ148mm 8.2kg

接地面積はそれほど小さくないものの、高さ148mmのロースタイルボディは健在だ。メンテナンスのためにフロントカバーを開いても、高さは182mmしかない。一般的なインクジェット複合機ではフロントカバーを開くためにある程度の高さが必要となるが、MG7530なら200~300mm程度の棚にも設置できる。スキャナの原稿台カバーを全開にするなら400mm程度の高さが必要となるが、半開きの状態でも十分利用できるはずだ。

MG7530の前面。本体の高さは148mm

インク交換のためにフロントカバーを開いても、高さは182mm程度だ

本体カラーとしては、ブラックとホワイト、ブラウン、そして新色のオレンジが用意されている。今回のレビューで試用したのはオレンジモデルだ。確かに明るい色合いなのだが、光沢を抑えたメタリックな質感(原稿台カバーと操作パネルは光沢あり)で、落ち着いた高級感が感じられた。

オレンジ

ブラウン

ホワイト

ブラック

もうひとつの新要素として挙げられるのが、スマートフォンやタブレットのNFC機能を利用した「PIXUSタッチ」だ。