米Googleは現地11日、スペインでの「Google News」の提供を停止すると発表した。スペインで施行される新しい法律が原因で、同法の下でGoogle税とよばれる使用料金の支払いが生じることからビジネスとして持続できないと判断したと説明している。

Google Newsスペイン版

この法律は、知的所有権に関する法の修正条項となり、スペインにおいてGoogle Newsなどのサービスで出版物が表示された場合、出版社がGoogleなどから使用料を徴収するというもの。この使用料金は義務づけられており、業界団体であるAssociation of Editors of Spanish Dailiesに対して支払う。出版社側が徴収を望まない場合も徴収することになるため、"Google税"と呼ばれている。法案は2014年10月に可決、11月5日に承認されている。Google以外のサービスも対象となり、違反したり不正コピーされたコンテンツにリンクした場合は最大で罰金60万ユーロを課される。

GoogleによるとGoogle Newsは無料で利用できるサービスだが、ページ上に広告を表示しておらず、Googleは一切収益を得ていないという。そのため、使用料金を支払うことはビジネスモデルとして持続性がないと判断した、と説明している。施行は2015年1月からで、Googleは12月16日にGoogle Newsからスペインの新聞社や出版社を外し、Google Newsのスペイン向けのサービス提供も中止する。

Google Newsは現在、35言語・70以上の国向けに提供されている。ニュース発行者はGoogle Newsに表示されないことを選ぶことも可能だが、「多くは妥当な理由により表示されることを選んでいる」とGoogleはサービスの有用性を強調している。メリットの1つとして、Google Newsに表示されることで自社サイトにトラフィックを誘導でき、広告収益につながると説明している。

Google NewsとGoogle税については、ドイツですでに出版社が料金を徴収するか、無償での記事掲載を認めるかを選択しなければならないという法律が定められた。だがその後トラフィックが減少したことを受け、出版社側はGoogleに無償での利用を認めることで合意に至っている。