説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「ある日突然、空き容量が減りました!?」という質問に答えます。

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iPhoneのディスク空き容量は、いつの間にか減っているものです。ディスク容量を消費する原因はさまざまで、写真/ビデオの撮影点数が多い、インストールしたアプリの数が多い、メールボックスに大量のメッセージがある……いずれも"チリも積もれば"方式で、徐々にディスク空き容量を圧迫しています。

しかし、ある日ふと気がつけば、数百万メガバイト以上の規模でディスク空き容量が減っていることがあります。可能性として考えられるのは、「ソフトウェア・アップデート」です。ソフトウェア・アップデートの適用前であっても、ダウンロードが完了した時点で作業用の空き領域が予約されるのです。

iOS 8.1.1を例にすると、iPhone 5では約1.2GBが作業用空き領域として予約されます。アップデータそのものはわずか79.2メガバイトとコンパクトですが、書庫ファイルの展開などの処理には広大なディスクスペースが必要になるからです。

そして予約された領域は、システムに使用済みの領域として扱われるため、そのぶんディスク空き容量が減ります。突然空き容量が減ったように感じられるのは、このようなしくみが理由です。

予約されたアップデート作業用空き領域ですが、ソフトウェア・アップデートを実行(インストール)すれば、システムの再起動後に回復します。アップデートしないかぎり貴重なディスクスペースが塞がったままの状態になりますから、特別な理由がないかぎり速やかにアップデートを実行したほうがいいでしょう。

ソフトウェア・アップデートはダウンロードが完了した時点で作業用の空き領域を予約するため、適用するまで貴重なディスクスペースを塞いでしまいます