説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『これからも「新iPhone」の発表は秋なのでしょうか?』という質問に答えます。

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確かに、iPhoneの発売日には一定のパターンを読み取ることができますが、固定されているわけではありません。初代iPhoneの発売は2007年6月でしたし、2008年発売のiPhone 3G、2009年のiPhone 3GSと2010年のiPhone 4は6月でした。秋の発売はiPhone 4S(2011年10月)からで、まだ始まったばかりです。

とはいえ、今年(2014年)も新iPhoneの発売は秋となりそうな気配です。Appleは米国時間の9月9日、カリフォルニア州クパチーノ市にある「The Flint Center for the Performing Arts」でスペシャルイベントを計画しており、すでにメディア関係者などに案内状が発送されたと報道されています。イベントの内容は不明ですが、その会場は1984年に初代Macintoshが発表された場所ということもあり、まったく新しいデバイスが登場するのではという声も耳にしますが、新iPhone発表の場となる可能性は大といえるでしょう。

その理由のひとつが「秋」という時期です。Appleにとって最重要マーケットの米国では、感謝祭(11月第4木曜日)翌日の金曜日、通称「ブラック・フライデー」は年間の数割を売り上げるといわれるほど消費が集中するため、メーカーはその時期に売れ筋の製品を持ちたがります。発売時期がブラックフライデーに近いほうが"鮮度"で勝負できることは確かですから、ドル箱商品のiPhoneを投入するには理があります。

iPhoneの販売台数はAppleの売上を大きく左右するだけに、発売時期を延ばすとは考えにくく、たとえば秋から1四半期先の冬へのシフトでは販売にプラスに作用する材料も見当たりません。最新技術を採用した大量の部品と組み立て工場を確保する必要上、反対に発売時期を前倒しすることも困難でしょう。プラスマイナス1カ月程度のズレはあるにせよ、新iPhoneを秋に投入するパターンは今後しばらく続くのではないでしょうか。

発表内容は明らかになっていませんが、今年も9月にスペシャルイベントが開催されます