消費電力測定(グラフ62~67)

最後におなじみの消費電力比較である。まずグラフ62はSandraのDhrystone/Whetstone実施時の消費電力変動を、グラフ63は3DMarkのFireStrikeのDemoをExtreme Profileで実施した時の消費電力変動をそれぞれ取得してプロットしたものである。

TDPが84Wで、オンボードデバイスも相対的に少ないCore i7-4770Kが最も実効消費電力が少ないのは当然として、案外にCore i7-4960XとCore i7-5960Xが近い値になっていることが分かる。

とはいえ、オンボードデバイスの違いなどもあるので、待機時の消費電力を測定した上で、これとの差の形にしたのがグラフ64(Dhrystone/Whetstone)とグラフ65(3DMark FireStrike Demo)である。

Dhrystone/Whetstoneの時にはCore i7-4770Kとそのほかの差が目立つが、これはそもそもコアの数が違うから当然のこと。そしてCore i7-4960XとCore i7-5960Xの比較では、むしろCore i7-5960Xのほうが省電力になっていることが分かる。

ここで、各々のテスト実行中の平均値を求めたのがグラフ66~67である。グラフ66の方はグラフ62~63(実効消費電力の絶対値)をまとめたもので、そもそもCore i7-5960Xは待機時でもシステム全体で85.4Wとかなり消費電力が大目になっており、これが全体にそれなりの影響を及ぼしているように思える。ただしCore i7-4960Xとの差はそう大きくない。

これが顕著なのは、待機時消費電力との差を取った(つまりグラフ64~65の平均値との差を取った)グラフ67で、案外にCore i7-5960Xの性能/消費電力比が悪くない事が分かる。

実際、このグラフ67の結果を元に性能/消費電力比を計算してみると

■Dhrystone

  • Core i7-4770K:16.50GIPS/60.7W = 0.272GIPS/W
  • Core i7-4960X:23.33GIPS/110.2W = 0.212GIPS/W
  • Core i7-5960K:30.28GIPS/103.5W = 0.293GIPS/W

■Whetstone

  • Core i7-4770K:268.39GFLOPS/55.5W = 4.836GFLOPS/W
  • Core i7-4960X:336.85GFLOPS/105.4W = 3.196GFLOPS/W
  • Core i7-5960K:422.61GFLOPS/96.4W = 4.384GFLOPS/W

■3DMark FireStrike Extreme Profile Combined

  • Core i7-4770K:9.1fps/201.1W = 0.045fps/W
  • Core i7-4960X:9.1fps/247.3W = 0.037fps/W
  • Core i7-5960K:9.0fps/223.3W = 0.040fps/W

ということになり、Core i7-5960XはCore i7-4770Kにはやや劣る(Dhrystoneのみ上回る)が、Core i7-4960Xには確実に勝っている。そういう意味では、消費電力は案外に多くないというのがここでの評価となるだろう。