評価キットの紹介
ということで、以下実際に評価に利用したものを紹介したい。CPUパッケージはご覧の通り薄型である(Photo12)。内部はCPUと説明書、McAfeeのLiveSafeの利用方法が入っているだけである(Photo13)。
ヒートスプレッダが随分押し出しの強い形状になったのが分かる(Photo14)。ためしにCore i7-4960Xと並べてみたのがこちら(Photo15)である。裏面はこんな感じ(Photo16)。こちらもCore i7-4960Xと比較してみたが、信号ピンの配置とか誤挿入防止の切り欠き部の位置が微妙に違うのが分かる(Photo17)。
さて、Intelは既存のフォームファクタ向けマザーボードビジネスからの撤退を表明しており、それもあってかX99搭載のLGA-2011v3対応マザーボードとして、今回はASUS X99-DELUXEが提供された(Photo18)。PCI Expressはx16が5本きっちり用意されている(Photo19)。裏面はこんな感じだ(Photo20)。
Photo19:VRMは通常だとCPUソケットの上と左に位置するが、今回はDIMMスロットが多すぎて左側には配置できなかった模様 |
Photo20:CPUソケットの上の黒い部分は、VRMのヒートシンクをかねたもので、最近のASUSのマザーボードで採用されている。さすがに表側では部品が乗り切らなかったのか、TPUが裏面に配されている |
VRMは8-PhaseでCPUソケットの上側にまとめられている。左側にはDIMM用のVRMが位置しているようだ(Photo21)。またマザーボード左下はCRYSTAL SOUND 2が搭載されている(Photo22)。
Photo21:そのDIMM用VRMのラジエータ部はカバーが被されており、バックパネル方面に放熱する構造になっている。ただ肝心のバックプレートは、そこの部分が塞がっており、いまいち意図が掴めない |
Photo22:Audio用のアナログ配線をデジタル配線部と分離してノイズの影響を減らすとともに、音楽用の高品質コンデンサを実装したもの。カバーにはあまり意味はないと思われる |
バックパネル部はこんな具合で、DIMM用VRMのヒートシンクが一部顔をのぞかせているのが分かる(Photo23)。またX99でSATAポートが増強したことをうけてか、SATAも充実している(Photo24)。
PCI Express周りは、そもそも5レーンもあるうえにM.2コネクタもある関係で、別に用意されたDip Switchで2-wayと3-wayの2つの動作が可能になっている。そのためASMediaのElectrical Switchが大量に配されていた(Photo25)。
Photo25:5スロットあるといっても最近のGPUカードは大体が2スロット厚であり、これを考慮して2-wayと3-wayの動作がこのマザーボードではサポートされている(1slot厚のPCI Expressカードを5枚挿せるかは今回未検証) |
M.2コネクタは電源コネクタの横に配されているが、そもそもDIMMスロットの横という位置から考えて横にカードを装着するのは無理で、なのでM.2カードが縦に突き刺さる形になる(Photo26)。
起動するとごく普通に立ち上がる(Photo27)。ちなみにメモリは最大DDR4-3200まで対応となっているが、仮にメモリを用意できてもそれが動作するかどうかは不明である(Photo28)。
そのメモリであるが、今回はADATAのDDR4-2133 4GB Unbuffered DIMMを4枚利用した(Photo29)。搭載されているのはSKhynixのH5AN4G8NMFRであった(Photo30)。
GPU-Zの出力はこんな感じ(Photo31~35)。Windows 7でも正常にチップの認識は行えており(Photo36)、WinSATは何とCPUが一番低いことに(Photo37)。
Photo31:最大倍率は35倍の筈なのに、なぜか33倍とされている |
Photo32:キャッシュの構成そのものは従来のHaswellと同じ。ただ従来のHaswellが8MB LLCを16wayだったのに、Haswell-Eでは20MBを20way構成としている |
Photo33:マザーボード構成は特におかしな部分はなし |
Photo34:今回のメモリ動作パラメータ。CL15での動作となっている。チャネルは4ch |
Photo35:SPDの中身はこんな感じで、2133MHz動作でCL15とCL16の両方が可能になっているのが判る |
ところでこのパフォーマンスインデックスであるが、何も考えずにWindows 7をインストールするとこんな具合になる(Photo38)。実はこれ、Windows 7やWindows Server 2008 R2で16MB以上のL3キャッシュを搭載したCPUを利用すると発生する既知の問題であり、修正プログラムも提供されている。
Photo36はこの修正プログラムを当てた後の結果である。Windows 8以上はこの問題が発生しないので、まぁそろそろWindows 7を使うのをヤメろという事なのかもしれない。
ちなみに問題はWinSATだけでなく、FutureMarkの3DMarkやPCMark 8でも発生している。どちらもベンチマーク自体は問題なく終了し、結果も正常に取得できるのだが、ベンチが終わってから結果を表示する間にシステム情報を取得しようとしてこんなエラーが出てくる(Photo39,40)。
無視を押せばシステム情報以外はちゃんと取得できるが、まだ試していないほかのアプリケーションの中にも、同様に大容量L3キャッシュを正しく認識できずにエラーを出すものがあるかもしれない。
追記:9月3日、FutureMarkは3DMarkおよびPCMark 8にUpdateを行い、X99環境で正常にシステムデータが取れない問題を解決した。現在同社のサイトより、SystemInfo 4.30が提供を開始されており、これを利用することでX99環境でも正常に動作するようになるとしている。またSteam経由でも同日より最新版の配信を開始しているとのことであった。
ベンチマーク環境
表1にテスト環境をまとめた。今回は前製品であるCore i7-4960Xの他、同じHaswellベースのCore i7-4770Kを用意した。ハイエンドのCore i7-4790Kは用意できなかったことはご容赦いただきたい。またCore i7-5960XのみChipset Softwareが古いのは、X99-Deluxe付属のCD-ROMにはV10.4が含まれていたのだが、Intelから提供されたソフトウェアがV9.4だったため、これにあわせた形だ。
ちなみに以下のグラフでは
- 4770K : Core i7-4770K
- 4960X : Core i7-4960X
- 5960X : Core i7-5960X
をそれぞれ指している。
■表1 今回のテスト環境 | |||
CPU | Core i7-5960X | Core i7-4960X | Core i7-4770K |
---|---|---|---|
M/B | ASUSTeK X99-Deluxe | ASUS P9X79 | ASUSTek Z97-Deluxe |
BIOS | BIOS 0403 | BIOS 4701 | BIOS 1304 |
Chipset S/W | V9.4.2.1019 | V10.0.13.0 | |
Memory | DDR4-2133 CL15 4GB×4 | DDR3-1600 CL11 4GB×4 | DDR3-1866 CL10 8GB×2 |
グラフィックスカード | NVIDIA GeForce GTX 780 | ||
GPUドライバ | GeForce Driver 340.52 | ||
Storage | Intel SSD520 128GB(System) + HGST HDP725050GLA360 500GB(Data) | ||
OS | Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版+SP1 |