まとめと考察
ということで、駆け足でCore i7-5960Xの評価を紹介してきた。大ざっぱに言えば、ほぼ予想通りの結果というあたりだろうか。コア数が8まで増えた分、同じ140WのTDP枠に抑えるためには動作周波数を低めに抑えるしかない。なので、エンコードとかレンダリングなどはともかく、3DとかPCMarkなどで高いスコアが出ることは、理論上ありえない。実際こうしたテストはそれなりのスコアでしかなかった。
ただ、実を言えばもう少し性能が落ちるかと思っていたのだが、予想外に健闘したのはDDR4-2133×4という広いメモリ帯域が落ち込みをある程度抑えてくれたためかもしれない。
そのDDR4-2133は、まぁ想定通りといえば想定通りの帯域であったが、RMMTのRead(グラフ25)はもう少し上に伸びると思っていただけに、ちょっと拍子抜けした感じはある。もっとも、これがDDR4-2133の真の性能か? といわれるとちょっと怪しいところがある。このあたり、もう少しチューニングが進んでからあらためてテストをしてみたいところだ。
ただ、Latencyの出方などがDDR3とは異なっており、このあたり期待が持てる要素は結構あるし、今回Core i7-5960Xの実効消費電力差が低めな理由の1つにはDDR4-2133の存在があると思う。もう少し熟成したらもっと良くなるのかもしれない。
最後に買いか否か、というと現状は何しろまだDDR4の価格も高いし、一部の処理を除くと性能差はCore i7-4960XやCore i7-4770Kとそう大きくない。オマケにマザーボードも安くないので、普通に買うならCore i7-4770KやCore i7-4790Kの方が幸せになれるだろう。
そうではなく、エンコードとかレンダリングの時間をとにかく短くとか、理屈ではなくDDR4が使いたいんだ、といった強い動機がある方にのみ、本製品をお勧めしたいと思う。