今回使ったもう1本のレンズは、開放値が明るい単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」だ。これは、一眼レフ「EOS」シリーズ用のレンズであり、EOS M2には「マウントアダプター EF-EOS M」を使うことで装着可能になる。もともとはフルサイズ用の標準レンズだが、EOS M2に装着した際は、焦点距離80mm相当の中望遠レンズとして活用できる。ちょうどポートレート用に最適な焦点距離だ。

マウントアダプターを介してEOS M2に「EF50mm F1.8 II」を装着

このレンズのいちばんの特長は、実売1万円前後の低価格にもかかわらず、切れ味鋭い描写が得られること。それと同時に、開放値F1.8によるボケの表現力も楽しめる。下の2枚は、標準ズーム「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」と「EF50mm F1.8 II」をそれぞれの開放値で撮り比べたもの。開放値に3段以上の差があるため、背景部分のボケ具合にも大きな違いが出ている。

標準ズームの開放値で撮影。絞り優先AE(F5.6 1/100秒) ISO400 ホワイトバランス:太陽光 焦点距離:47mm レンズ:「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」(原寸大画像を見る)

単焦点レンズの開放値で撮影。絞り優先AE(F1.8 1/200秒) ISO125 ホワイトバランス:太陽光 焦点距離:50mm レンズ:「EF50mm F1.8 II」(原寸大画像を見る)

レンズの外装は樹脂素材で、その作りは少々チープな印象が残る。EF-Mレンズとは違って、オートフォーカスの駆動音がギーギーと鳴ることや、マニュアルフォーカスの際に、フォーカスリングの回転操作があまり滑らかでないことなども指摘できる。とはいえ、この価格の安さと写りの良さを考えれば、外装や操作感に関する弱点には目をつぶってもいいと思える。

しかも、レンズの重量は130gと軽いので、マウントアダプター経由でEOS M2に装着しても全体のバランスはちょうどいい。このレンズの発売は1990年。実に20年以上に渡ってロングセラーを続けているレンズなのである。

【上段左】絞り優先AE(F1.8 1/160秒) ISO100 ホワイトバランス:太陽光 焦点距離:50mm レンズ:「EF50mm F1.8 II」(原寸大画像を見る) 【上段右】絞り優先AE(F1.8 1/160秒) ISO100 ホワイトバランス:太陽光 焦点距離:50mm レンズ:「EF50mm F1.8 II」(原寸大画像を見る) 【下段左】絞り優先AE(F2 1/40秒) ISO400 ホワイトバランス:オート 焦点距離:50mm レンズ:「EF50mm F1.8 II」(原寸大画像を見る)

キット付属の標準ズームを基本にしつつ、限られた予算内で大きなボケ表現を味わうには50mmの単焦点レンズがオススメ。というのが今回の結論だ。

(モデル:砂川陽香)

撮影協力:メガウェブ(アムラックストヨタ)

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