Q:そうしたデザインハウス、台湾とか中国には一杯ありますね。国内だとLSIロジックがそういうことをされていたかと思います。

A:日本だと日本NSW、日立情報通信、あるいは半導体ベンダみたいなポジションにおられますがメガチップスがそれに近い事をされていますし、東芝系のTOSMEC(東芝マイクロエレクトロニクス)とかもそれにあたりますね。

Q:実際、これだけ初期コストがあがると、一発で動かないと困ることになりますしね。

A:困ります。そのため、ツールベンダとの協調も、今回SynopsysとCadenceとも一緒にやっていますが、上流のESL(Electronic System Level)レベルで設計をして、その後EDAベンダの検証ツールをちゃんと使う事で、絶対失敗しないようにする必要があります。

Q:ただそこまでやったとしても、作る量そのものが段々減っていってることが最大の問題な気がするんです。例えば今日本で、Cortex-A15を使ってSoCを作ってらっしゃるところは本当に少ないと思っています。

A:もうね、こう、下向いちゃう位(笑)、少ないですね。

Q:これがCortex-A9に関しては一杯ありますよね。これは本国の方がポリシーを変えられて、Cortex-A9に関してはApplicationだけでなくEmbeddedでも使うといい始めた瞬間に、ルネサスの様にCortex-A9のマイコンというものを出す(笑)

A:RZファミリなんて、びっくりしたでしょう? 私たちですら、びっくりしたんです。それも天下のルネサスの、マイコンですからね。これは凄い事で、嬉しいんですが、逆に言えばそこまで来たということですよね。

Q:ということで、Cortex-A9までは来ました。ではCortex-A15は? あるいはCortex-A53/57は? というお話になります。

A:正直、スマートフォン向けには64bit化のブームがこれから来ます。そのお陰で、Cortex-A7とかCortex-A15、Cortex-A12もEmbedded Processorになる日は近いと思います。

Q:そちらも行きますか?

A:行きますね。1つの要求要件として、Cortex-A9はアドレス空間が32bitしかないけど、Cortex-A7/12/15はMMUが三段になっているお陰で40bitの空間がある。すると、Imagingなどでは、1TBあれば結構重宝するという要求が多くてですね、医療とかには向いているんです。あとMFP(Multi-Function Printer)とかもそうですね。

Q:そこにMaliとかを組み合わせることになる?

A:そうなります。例のCCI-400とMaliの絵(Photo04)がありますよね。これももう良く御存知だと思うのですが、ここで(Maliを)Another Coprocessorとして考えて頂きたいんです。GPGPU的に。

Photo04:CCI-400とMail-T604のブロック図