新たなソリューションの概要

続いて登壇したのは、執行役員コンシューママーケティング統括部長の吉田健史氏である。

図7 吉田健史氏

吉田氏は、具体的にどう変わり、改善されるのかを具合的に紹介した。まずは、ごく一般的な家族を想定してみる。両親、高校生の娘、中学生の息子、それぞれが、PCやモバイル端末、さらにはインターネットに接続可能なゲーム機などを保有する。もし、新しいデバイスが増えたとしたら、当然だがセキュリティ対策が必要となる。その役目は誰だろうか? たいていの家庭では、お父さんの役目だろう。

また、娘は最近はスマートフォンの利用がメインで、PCを使うことがあまりなかった。久々に起動したら、セキュリティ対策ソフトの有効期限が切れていた、といったこともめずらしくはないだろう。更新作業もお父さんの役目である。しかし、これだけ多数になってくるとその管理も非常に大変である。メーカーが異なっていることも十分ありうる。さらに手続きがめんどうになる。

図8 バラバラな有効期間や対策のないデバイス

今後、スマート家電もインターネット接続が一般化するだろう。冷蔵庫用のセキュリティ対策はどうすればよいのか? ますますお父さんの負担は重くなっていく。そして重くなっていくだけならば、まだなんとかなるが、対策ができなくなってしまうことも考えられる。

それを解決するのが、セキュリティアットホームである。まずバラバラに対応をするのではなく、繋がっている元のところ(ルータなどが想定される)にソリューションを展開するという考え方である。ネットワークレイヤーで守るのである。これは企業レベルでは実装されているものだ。その技術を応用している。そして、技術を提供するだけでなく、有効期限を意識する必要性のない月額制のサービスの導入も予定されている。

さらに家の外でも安全が求められる。そこで、小さなエージェントをデバイスにインストールする。デバイスがインターネットにアクセスする際に、不正なサイトと判断された場合に遮断するのである(図9)。

図9 セキュリティエブリウェア

トレンドマイクロのカスタマーサポートセンターには、多くの相談がよせられる(図10)。

図10 よせられる相談例

ひょっとしたらウイルスに感染したのでは、と思い相談してくる。しかし、直接的なウイルスといった脅威ではないことが多い。ウイルスバスターがインストールされていても、ユーザーの悩みや不安はつきないのである。こういった不安を解消していくことも、役目の1つと考えている。これは、セキュリティコンシェルジュサービス(名称は未定)というもので、デバイスや通信の情報を監視し、悪意のあるものなどを事前に通知するものである。結果、つにね守られている安心感を実現するとのことだ。具体的には、ネットバンキング中に、接続先は正しいサイトで通信も暗号化されているとわかれば、安心して送金できるだろう。吉田氏は、次のレベルのセキュリティと述べた。