J.D.パワー アジア・パシフィックは7月30日、2014年日本カラーコピー機顧客満足度調査および2014年日本カラープリンタ顧客満足度調査の結果を発表した。

同調査は、2014年5月に、全国の企業(従業員規模30人以上)を対象にオフィスで使用するカラーコピー機およびカラープリンタの顧客満足度を調べたもので、カラーコピー機は6,077社から、カラープリンタは2,173社から回答を得た。

近年、多くのメーカーがコピー機(複合機)と連携したクラウドサービスの提供を始めているが、その利用率は企業規模にかかわらず5%前後と低く、利用はそれほど進んでいない実態がうかがえる。

一方、今後利用を希望する企業はどの企業規模でも25%から30%おり、これらの企業は"社内文書の情報共有・活用効率改善"を課題としている傾向が強い。同社は、コピー機(複合機)連携によるクラウドサービスはこれら課題への解決策として潜在的な需要があると分析している。

コピー機メーカーや販売店が提供する「コピー機(複合機)連携クラウドサービス」の利用意向(%) 資料:J.D.パワー

今回の調査から、利用中のメーカーのコピー機に対する満足度が高いほど、そのメーカーや販売店が提供するクラウドサービスの導入意欲も強い傾向が見られ、導入に前向きな企業では特に「販売店対応」に対する満足度が高いことが明らかになった。営業担当者によるコンタクトが行われていないケースでは導入意向は大きく低下している。

こうした結果を踏まえ、同社は、クラウドサービスに対する関心や導入意欲を高めるには、クラウド活用による効果やメリットを自ら積極的に紹介していく需要掘り起こしに向けた働き掛けや、顧客個々の実業務での文書利用方法などの顧客理解を高める取り組みが従来以上に必要としている。

カラーコピー機顧客満足度調査 資料:J.D.パワー

総合満足度を構成するファクター 資料:J.D.パワー

ベンダー別では、カラーコピー機の顧客満足度は富士ゼロックスが5年連続で第1位(総合満足度スコア670ポイント)となり、「商品」「コスト」「販売店の対応」「保守サービス」の4つのファクターすべてで最も高い評価を得た。第2位はキヤノン(同645ポイント)、第3位はリコー(同644ポイント)。2位のキヤノンは、「販売店の対応」および「保守サービス」においてトップスコアに次ぐ評価を得ている。

カラープリンタ顧客満足度調査 資料:J.D.パワー

総合満足度を構成するファクター 資料:J.D.パワー

カラープリンタの顧客満足度はカラーコピー機同様に富士ゼロックスが5年連続第1位(総合満足度スコア615ポイント)。第2位はリコー(同586ポイント)、第3位はOKI(同581ポイント)となった。

顧客満足度の測定にあたっては、各機器における総合的な顧客満足度に影響を与える4つのファクター(領域)を設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価をもとに総合満足度スコアの算出を行っている(1,000ポイント満点)。ファクターごとの総合満足度に対する影響度は、カラーコピー機では「商品」34%、「コスト」20%、「販売店の対応」18%、「保守サービス」27%となっている。カラープリンタでは「商品」44%、「コスト」33%、「販売店の対応」17%、「保守サービス」7%となっている。