J.D. パワー アジア・パシフィックは10月30日、2013年日本携帯電話サービス顧客満足度調査の結果を発表した。これによると、KDDIが2年連続で総合満足度トップとなっている。
満足度調査は、1000ポイント満点で評価されており、「提供サービス(31%)」や「通信品質・エリア(21%)」「各種費用(20%)」「電話機(14%)」「アフターサービス対応(8%)」「電話機購入経験(5%)」のファクターに分けられている。それぞれの割合は満足度の合計を100%とした時の構成比率。全国を10地域に区分けし、個人ユーザー3万1200人を対象に、インターネット調査形式で調査を行った。
これによると、KDDIは総合満足度が558ポイントでトップ。2位はNTTドコモで556ポイント、3位はソフトバンクで551ポイントとなった。順位は2012年と同じだが、KDDIとソフトバンクの差が昨年は33ポイントあったのに対して、今年は7ポイント差と大きく縮小している。
J.D. パワーでは「スマートフォンの普及に伴って増大するトラフィック対策として各キャリアとも『通信品質・エリア』の改善と増強を行っているが、その部分でキャリア間格差がだんだんと小さくなっている」と分析している。
実際に、「通信品質・エリア」のスコアは、2012年の1位と3位の差が119ポイントあったのに対して、今年は58ポイント差と大きく縮小している。
KDDIは、「提供サービス」と「各種費用」の2ファクターでトップ評価となり、NTTドコモは「通信品質・エリア」と「アフターサービス対応」の2ファクターでトップ評価。ソフトバンクは昨年トップ評価であった「電話機」に加えて、「電話機購入経験」でトップ評価に躍り出た。
また、スマートフォンに関するその他の調査も行っており、スマートフォンユーザーの割合は2012年の30%から43%に上昇し、半数弱がスマートフォンユーザーとなった。更に、これらのユーザーのうち67%はLINEやSkypeといったVoIPアプリのチャット機能を利用しているという。その一方で、VoIPアプリでありながら、音声通話の利用率は51%にとどまっており、チャット機能が浸透している様子がうかがえるという。
ほかに、携帯キャリアの音声通話とVoIPアプリの「音声が割れたり、途切れたりする」といった「不具合経験率」は、VoIPアプリがキャリアの音声通話より3~6倍高くなっていることが分かった。VoIPアプリは、通話の仕組み上、キャリアの音声通話よりも通話品質に不利な点があるものの、J.D. パワーでは「通話品質などからキャリアの音声通話を求めるユーザーが多い」としている。ただし、「今後、通話品質が向上すれば、キャリアの音声通話がVoIPアプリに取って代わられることになるかもしれない」との分析も行っている。