総務省のICTサービス安心・安全研究会が6月30日に「消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG」の中間取りまとめ案を公開した。その中で、携帯電話事業者に対してSIMロック解除の検討を促している。そのほか、料金プランやクーリングオフ制度にも言及しているが、今回はSIMロック解除に限定して、何が変わるかを考えてみたい。

SIMロックは、携帯電話が利用できるSIMに制限を加え、特定の事業者のSIMカードしか利用できないようにする、というもの。携帯電話が通信を行うためにはSIMカードが必要で、携帯電話で使えるSIMカードを制限(ロック)すると、購入した携帯電話はその携帯キャリアの通信しか行えない。

それに対して、総務省が2010年6月にSIMロック解除に関するガイドラインを出し、これに応じてドコモは多くの端末でSIMロックに応じた。KDDIは、3Gの通信方式が他社とは異なるので解除の意味がないとしてガイドラインには応じず、ソフトバンクは販売数の見込めない一部の端末でSIMロック解除に応じつつ、解除の要望が少なくニーズがないとして、ほとんどの端末では解除に応じていない。

ドコモは多数の端末のSIMロックを解除

ソフトバンクは一部の端末でのみSIMロックを解除

ドコモもiPhoneのSIMロック解除には応じてはいないが、これはどちらかというとアップル側の施策だろう。アップル自身はSIMロックフリーのiPhone/iPadを販売しており、「SIMロックフリーのiPhone/iPadを買う」ことはできる状況だ。

Apple StoreでSIMフリー版iPhoneを販売