スキャン時の"音"を測定

iX100のスキャン音は、紙送り時に小さいモーター駆動音がするのみで、個人的には嫌な音ではない。騒音計(誤差±1.5db、94db@1kHz)を用いて簡単に調べてみたところ、最大で66.6dbだった。例えるなら、静かな乗用車や、普通の会話といったレベルだ。

なお、騒音計はiX100の横から5cmの位置、スキャン前の環境音は37.8dbだった。スキャン開始は雑音を防ぐため、iX100の物理ボタンではなく、Wi-Fi接続したタブレット画面のScanボタンをタッチ操作した。iX100は小型軽量ということで、動作音を少々気にしていたのだが、実際に聞こえる音でも実測データでも許容範囲だ(音については個人差があるので、環境や使う人によっては気になるケースがあるかもしれない点はご理解いただきたい)。

騒音計とiX100の距離は約5cm、スキャン前の環境音は37.8db

スキャン時の最大音量は66.6db

スキャン時の"熱"を測定

iX100の消費電力は動作時で4.7W以下、スリープ時で2.2W以下だ。モバイルスキャナの熱を気にする人はあまりいないかもしれないが、熱いよりは冷たいほうがいい。

参考データとして、バッテリ駆動でA4原稿×10枚をスキャンした直後、シンワ製クラス2レーザー製品を使ってiX100の温度を測ってみた。結果は、給紙カバー(原稿台)付近で最高の27.8度だった(室温は22度だったので、それほど高温でないことが分かる)。

給紙カバー(原稿台)付近がもっとも高温の27.8度

モバイルにぴったりな1台だが、選択と割り切りが必要な部分も

タブレットとの相性は抜群だ。カフェなどのちょっとしたスペースでもサッと置けて、ワイヤレスでスマートに使える

あえて言うなら、1パス両面スキャンに対応していないこと、原稿の給紙が1枚単位の手差しであることが、デメリットに挙がる。この両者を実現すると、本体がどうしても大きく重くなってしまうので、iX100は軽量コンパクトを選んだということだ。ここから先の製品選択は、ユーザーに委ねられる。

原稿の給紙については、知っておきたいテクニックが1つ。給紙口の幅を広く使って、2枚の名刺を同時に給紙(スキャン)したり、給紙口の右半分と左半分で交互かつ連続的に複数の名刺を給紙(スキャン)したりできる。名刺に限らず、レシートや領収書といった幅が狭い原稿なら、同じ使い方が可能だ。

ScanSnap iX100は、軽量コンパクト、バッテリ内蔵にワイヤレス、そして高速と、モバイル使用に求められる要素を高いレベルで身にまとっている。付属ソフトも充実しているため、据え置き型のドキュメントスキャナとほぼ変わらない活用が可能だ。「小型軽量だが性能がもの足りない」といったこともなく、2014年6月下旬の実勢価格が20,000円前後というのは、プライスパフォーマンスが高い。普段から据え置き型スキャナを使っている人がサブスキャナとして導入するのはもちろん、手軽に使える最初のスキャナとしても、iX100は魅力的な1台だ。

タブレットと合わせて会議室に持ち込むことも可能

本体カラーのつや消し黒は、スーツ姿に馴染む