スキャンスピードとスキャン品質は?

まずカタログスペックを整理しよう。原稿の給紙は手差し挿入、片面読み取りのみ、2ウェイペーパーパス(Uターンパス/ストレートパス)となる。イメージセンサは光学600dpiのCIS、光源はRGBの3色LEDだ。

スキャン解像度は下表の設定が選べるが、エクセレント(カラー600dpi)を選択できるのはPC接続で「ScanSnap Manager」利用時のみとなる。 

自動解像度モード 片面5.2秒/枚
ノーマル カラー/グレー150dpi、白黒300dpi相当、片面5.2秒/枚
ファイン カラー/グレー200dpi、白黒400dpi相当、片面5.2秒/枚
スーパーファイン カラー/グレー300dpi、白黒600dpi相当、片面5.2秒/枚
エクセレント カラー/グレー600dpi、白黒1,200dpi相当、片面20.4秒/枚

PCでの画質選択画面、エクセレントモードがあるのはPCによる読み取りのみ

Androidによる画質選択画面

実際のスキャン画像とスキャンスピードを簡単に比較してみよう。原稿として使用したのは、NECのカラーレーザープリンタ「MultiWriter 5600C」でA4普通紙に出力した、iX100の製品Webページだ。なお、スキャン時間は原稿の紙送り開始から排出までの実測で、スキャン操作はAndroidタブレットのNexus7 2013モデルから実行した。iX100とNexus7 2013モデルはダイレクト接続だ。

A4カラー原稿をスキャンしたファイルサイズとスキャン時間
モード ファイルサイズ スキャン時間
ノーマル(150dpi) 220Kバイト 約5秒
ファイン(200dpi) 320Kバイト 約5秒
スーパーファイン(300dpi) 635Kバイト 約5秒
エクセレント(600dpi) 2004Kバイト 約22秒

白地に黒の文字と表組みのスキャン例

ノーマル(150dpi)

ファイン(200dpi)

スーパーファイン(300dpi)

画像のスキャン例

ノーマル(150dpi)

ファイン(200dpi)

スーパーファイン(300dpi)

クオリティとファイルサイズを考えると、ファインモード(300dpi)の結果がベストだろう。本来は、スキャンデータを出力(表示)するデバイスや用途に応じてモードを変更すべきだが、高画素ディスプレイでの表示、印刷、オフィスアプリケーションでの再編集まで考慮しても、ファインモードで満足できるはずだ。

ノーマルモード(150dpi)とファインモード(200dpi)は、白地に黒の文字輪郭でモスキートノイズが少々目立つが、原稿の種類やスキャンデータの用途、またはファイルサイズを節約したいときなどは、十分に実用的。画像のスキャンでは、ノーマルモードでもなかなかの高画質と言える。

スキャン時間もカタログ値の通り、ノーマル、ファイン、スーパーファインの3モードで違いは見出せなかった。加えて、スキャン速度は遅くなるものの、カラーで600dpiスキャンのエクセレントモードが用意されているので、ゆとりを持って様々なシーンにも対応できる頼もしい1台となりそうだ。