今後の東芝製PCはどうなる?

ところで気になるのは、5月に開催された経営方針説明会において、同社の田中久雄社長が、PC事業を最大の課題事業に掲げ、さらなる構造改革に着手する姿勢を表明。そのなかで、将来的には、BtoB比率を半数以上に引き上げること、固定費の削減、商品ラインアップの変更、地域ポートフォリオの変更などを行うことを明らかにした点だ。

これによって、東芝のBtoC向けの製品群が縮小方向に進む可能性がある。今後の4KノートPCの展開や、BtoC領域のフラッグシップマシンの継続も気になるところだ。

これに対して、竹之内氏は、「BtoCの領域の製品を継続しないわけではない。顧客のニーズをしっかりと捉えて、エポックメイキングな製品は出し続けていきたい」と意欲をみせる。

また根岸氏も、「機能がすごいというだけではフラッグシップの意味がない。多くの人に魅力を感じてもらえるフラッグシップである必要がある。フラッグシップで新たに挑戦した部分が、次のステップで幅広い機種に搭載され、多くの人が購入できるようになる。そうした点でもフラッグシップを続けていくことは大切なことである」と語る。

実際、田中社長は、「PCは厳しい事業であるのは確かだが、PCで培った様々な技術が、他の事業グループの商品に活用できる価値は大きい。単体でみるのでなく、様々な技術が、東芝グループのなかの製品やサービスに有効な技術となるように事業を継続していきたい」と語る。

そうした意味でも、今後のBtoC向けフラッグシップ製品や、新たな4Kパソコンの登場にも期待したいところだ。