COMPUTEXが終われば、もうすぐ夏だ。自作PCユーザーとしては、冷却に頭を悩ませる季節がやってくるが、今回のCOMPUTEXでも、より大型化したオールインワン型の水冷CPUクーラーなど、注目の製品が多数登場していた。会期中のレポートで、すでにいくつか紹介しているので、本レポートではそのほかの冷却関連製品についてまとめてみたい。

・CRYORIG、なんと軸部分まで交換可能な新型ファン「RIMS」を出展
http://news.mynavi.jp/articles/2014/06/04/computex08/

・Noctua、アクティブノイズキャンセル採用の静音CPUクーラーを来年発売?
http://news.mynavi.jp/articles/2014/06/05/computex12/

・もう1つの新メーカーRAIJINTEK、カラバリ豊富なMini-ITXケースに注目
http://news.mynavi.jp/articles/2014/06/06/computex19/

新ブランドでDIY水冷に本格復帰

Thermaltakeは現在、オールインワン型の水冷CPUクーラーとして「Water 3.0」シリーズを発売しているが、この最上位モデルとして「Water 3.0 Ultimate」が登場する。通常、オールインワン型では、ラジエータのサイズは24cmまでだが、このUltimateはなんと36cmサイズで、12cmファンを3連で搭載する。

トリプルファンを搭載する最上位モデル「Water 3.0 Ultimate」

同社の「Water 3.0」シリーズはこれで4モデルがラインナップ

36cmのラジエータとなると、設置できるPCケースは少し選びそうだが、とにかくパフォーマンスを重視する向きには良いだろう。6月末の発売予定で、価格は20,000円程度の見込み。

昨今、水冷CPUクーラーでは、Water 3.0のようなオールインワン型が主流だ。オールインワン型は、水冷ブロック、ラジエータ、ポンプ、タンクなどがセットになっており、あらかじめチューブで接続されている。メンテナンスフリーを謳う製品も多く、初心者でも手軽に始められることから、簡易水冷タイプとも呼ばれる。

一方、オールインワン型が登場する以前からあったのはDIYタイプである。こちらはオールインワン型とは逆に、自分で連結なども行わなければならず、水漏れ等に注意が必要だが、メーカーの違うパーツでも組み合わせられるという、カスタマイズ性の高さが魅力と言える。

Thermaltakeからはしばらく、DIYタイプの新製品が登場していなかったのだが、「Pacific」シリーズとして、新たにラインナップを揃えた。9月末から順次製品を投入していくという。ブースの説明員によれば、重視したのは品質とのこと。例えばラジエータは、あのNASAも利用しているメーカーが製造。チューブは、医療用で実績のあるものだとか。

ラジエータは12cmサイズから48cmサイズまで揃える。厚さもいろいろ

水冷ブロック、ポンプ、リザーバ、冷却水、チューブなども一式用意

また空冷のCPUクーラーでは、AMDのSocket AM1に対応するという「MeOrb II」に注目したい。ご存じのように、これまでSocket AM1に対応したCPUクーラーは発売されておらず、CPUに付属するものを使うしかなかった。もっとも、TDPが25Wしかないので、性能的には十分とも言えるのだが、それでも選択肢は欲しい。

Socket AM1に対応する小型CPUクーラー「MeOrb II」

説明員が見せてくれたサンプル。AM1に取り付けられている

MeOrb IIは、8cmファンを搭載するトップフロー型のCPUクーラーだ。高さ35mmというロープロファイルモデルで、ヒートパイプは直付けタイプ。冷却能力は65Wまでと余裕があり、静音性も期待できそうだ。3,000円程度という低価格も嬉しいところ。