もうひとつ、カメラ機能で唸らされたのは選択フォーカス機能だ。前述した位相差オートフォーカスは、被写体との距離を測定することでピント合わせを速めるというやり方。この「距離を測る」という部分を使って、近い被写体と遠い被写体を判別し、一眼レフのようなボケを後から作り出せる機能なのだ。

背景がボケている

手前がボケている

パンフォーカス(すべてにピントが合う)になっている

つまりこういうことである。1枚目は手前にピントが合い、背景がボケている。2枚目は背景にピントが合い、手前がボケている。3枚目はすべてにピント合っている。GALAXY S5のカメラは、この3枚の異なる写真を1回の撮影で作り出せるのだ。

もちろん、よく見るとボケが人工的であることがわかる。エッジが不自然だし、ボケも何だか"もや"のようだ。当たり前だが、一眼レフが生み出す自然で綺麗なボケにはまったく及ばない。しかし、それでも従来のようにアプリなどを使って無理やりボカしていたスマホカメラの写真に比べればはるかに自然になっている。何より"後からいくらでも変更できる"点がすばらしい。一眼レフの世界でも、後からピントを変えられるカメラが登場しているが、まさか簡易的とはいえスマホに搭載されるとは思わなかった。

指紋スキャナーの精度も上々だ。というよりも精度が悪いと困るわけだが、ここは問題もなく一安心。また、意外と助かったのはバッテリーが減ったときの対策として使えるウルトラ省電力モード。画面を白黒にしてアプリの使用などを大幅に制限し、電力を節約するモードだ。GALAXY S5のバッテリーは2800mAhと、他社端末よりも少なめなのだが、ウルトラ省電力モードのおかげでバッテリーが完全に切れてしまうという事態に陥ることはなかった。ただし、本当に機能は制限されるので、単なる「メールと電話ができるだけの箱」にはなってしまうのだけど……。

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