厚みだけでなく、両者は背面のデザインもかなり違う。「Z2」はアルミとガラスパネルのソリッドなデザインで高級感を出しているのに対し、「ZL2」はラウンドした樹脂製の背面で持ちやすさを重視しているように思う。ここは個人差があるところだが、実際両者を持ち比べた感じだと、よりしっくりくるのは「ZL2」だ。「Z2」はXperiaらしいソリッドなデザインで、これはこれでスタイリッシュなのだが、手には馴染みにくかった。

Xperia Z2(ドコモ)の背面

Xperia ZL2(au)の背面

また、端末の縦の長さは「Z2」が「ZL2」よりも1cmも長くなっている。薄い代わりに縦に長いのが「Z2」で、厚いけれど縦の長さは抑えられている「ZL2」という違いだ。「ZL2」の方が手の収まりがいいのは、縦の長さのせいもあるだろう。

Xperia Z2(ドコモ)の厚み

Xperia ZL2(au)の厚み

スマートフォンは日常持ち歩くものなので、持ちやすさとデザインは重要だ。「Z2」と「ZL2」では、どちらを重視するかで選択肢が変わる。両者ではカラーバリエーションも異なっており、個人的には「ZL2」のターコイズカラーがとても気に入っている。「Z2」のパープルも捨てがたいが……。とにかく、まずはそうした見た目の方向性の違いをおさえておきたい。

その上で各スペックを見ていくと、全体的にリードしているのは「Z2」だ。ディスプレイサイズは0.2インチ大きく、バッテリー容量も少しだけ多い。目立って違いがあるのはインカメラの画素数で、「ZL2」は31万画素とスペックダウン。一桁間違っているんじゃないかという画素数の少なさだ。

本体を小型化したためだろうか、かなり割り切っている。いくら画素の多さが画質に直結しないとはいえ、ここまで少ないとさすがに影響は出てくる。実際に確認してみたが、やはり画素なりの画質だった。「ZL2」のインカメラは緊急用と割り切るべきだろう。

ただし、そもそもインカメラは使わないという人も多い。観光地などで複数人で鮮明な自撮りをするのに31万画素は少なすぎるが、そうでないなら特に問題にはならない。