小学校の低学年向けに最適化したコンテンツやインタフェース

―― 今回、新たに小学校低学年向けモデルが発売されましたが、どのような背景で「小学校低学年向けモデル」なのでしょう。

佐藤氏「小学校高学年向けモデルの知名度と評価が徐々に上がっている中で、それを低学年のお子さんに使いたいというご意見をいただくようになりました。先ほどのアンケート調査でも、小学校低学年の利用者が、数年前と比べて約2倍に増えている結果があります」

―― 小学校低学年のユーザーがそんなに増えているんですか?

佐藤氏「実際には個人で所有しているわけではなく、家族と共有しているケースが多いようですね。ですが、低学年層の関心や需要が高まっているという数字もありましたので、『初めての学習をサポートする』と『学ぶことを楽しんでもらおう』という想いから、小学校低学年向けの『XD-SU2000』をリリースしました」

改めて、今回登場した「XD-SU2000」

―― そのXD-SU2000についてですが、まずはコンテンツについて教えてください。

佐藤氏「小学校低学年向けモデルでは、高学年向けモデルよりもコンテンツを厳選しました。低学年層では、特に『国語の勉強が始まるからまず国語』という需要があります。そこでまずは、『例解学習国語辞典』や『例解学習ことわざ辞典』、小学校で習う漢字を学年順で学べる『小学漢字 1006字の正しい書き方』も収録しました。

さらに、写真やイラストで知ることへの興味を育める『小学百科大事典 きっずジャポニカ』、NHKで放映された英語学習アニメの『リトル・チャロ(全50話)』や、音楽で英単語を学べる『キクタンキッズ 初級編/中級編/上級編』なども収録しています。

基本的な方針として、説明が分かりやすく、学びの基礎となるコンテンツを選びました。たくさんのコンテンツを引き比べる少々高度な学習よりも、知りたいことへ迷わず到達してほしいと考えています。また、高学年向けモデルでも好評の『リトル・チャロ』については、ひらがな字幕で読みやすくしました。これで小学校の低学年から、英語や英会話に親しんでもらいたいですね」

本体の左側面には、ヘッドホン端子、microUSB端子、内蔵スピーカー/ヘッドホン端子の音声出力切り替えスイッチがある(写真左)。本体の右側面には、付属のタッチペンが収まる(写真右)

―― ハードウェアやソフトウェア的な特徴はありますか?

佐藤氏「まずはタッチパネル液晶についてですが、漢字を手書き入力で検索できるようになっています。小学校低学年では、目で見ても読めない漢字が多いだろうという配慮からですね。最近の子供は携帯ゲーム機などでタッチ操作に慣れていますので、むしろタッチできない液晶に違和感があるかもしれないと(笑)」

手書き入力で漢字を入力すると(写真左)、該当する漢字を検索できる(写真右)

佐藤氏「また、教科書体フォントによる表示ができることも強みのひとつです。スマートフォンやパソコンでよく使われる明朝体やゴシック体は、実際に学校で習う字と微妙に形が違うところがあるんですね。『明朝体やゴシック体で学んだ漢字を学校で書いたらバツをもらった』ということはあってはなりませんので、教科書に載っている字と同じ形の字を、大きく表示できるようにしています」

教科書体で表示される「進」の字。明朝体とは、部首「しんにょう」の形状が微妙に異なるのが分かる

佐藤氏「すべての漢字にルビ(振り仮名)が表示される点も特徴です。小学校低学年には、まだ多くの漢字を読めない子供もいます。漢字の読み方がひらがなで表示されることで、『この漢字はこう読むんだ』と学べると同時に、初めての漢字を見たときでもつまずくことなく使えるわけです。画面のメッセージ類もひらがなで統一し、小学校1年生でも使ってもらえるようにと気を遣っています」

すべての漢字にルビが表示されるので、初めて見る漢字でも読み方が分かる

すべてのメッセージはひらがなで分かりやすく表記

佐藤氏「キーボードには50音キーボードを採用しました。電子辞書を使うと『あいうえお』順が分からなくなって、紙の辞書を使えなくなってしまうのではと心配される親御さんや学校の先生がいらっしゃいます。今回の小学校低学年モデルでは、小学生向けの教材と同様に、右から順に50音のキーを並べていますので、その心配はありません」

右上から「あいうえお」が順番に並ぶ50音キーボード

親子で楽しみながら「学ぶ」ことへの歓びを

―― 今回のお話を総合すると、マーケティングの結果から低学年向けの需要があることが分かり、ターゲットに対して適した電子辞書をリリースされたということですね。

佐藤氏「需要は確かにあるのですが、まだまだ小さく、この先どうなっていくか分からないところがあります。求められてから作るのではなく、作ったものを求めてもらおうというのがカシオの考えでもありますし、その点をEX-wordの精神ととらえて、それぞれのお客様に適した電子辞書を提供し続けていくべきだと考えています」

―― 低学年向けモデルのXD-SU2000について、「こんな風に使うと楽しい」といったおすすめの使い方はありますか?

佐藤氏「漢字の書き方を調べる使い方と、知りたいと思ったことをすぐに調べる使い方ですね。

例えばテレビのクイズ番組で『この漢字はなんと読むでしょう』ですとか、『この単語はどういう意味でしょう』という問題が出題されることがありますが、そんなときでもすぐに調べられます。それはズルいという見方もあるでしょうが、家族と一緒にXD-SU2000を使うことで、いろいろなことをもっと楽しめるようになると思うのです。

また、日常で感じた疑問を『かんたんサーチ』で検索することで、言葉の意味や字の書き方、発音など、さまざまな角度から網羅的に調べることもできます。

英語コンテンツもおすすめですね。『キクタンキッズ 初級編/中級編/上級編』では、リズミカルな歌に合わせながら英単語を学習できますので、親子で楽しめるのではないでしょうか」

―― 親子でコミュニケーションを取りながら楽しく学べるのは大きなメリットですね。

佐藤氏「操作が簡単なので子供だけでも使えますが、まずは親子で使い方を覚えていただいて、それからみんなで楽しみながら、という風に使っていただきたいですね。

そのためにも常に手元に置いて、調べたいときにすぐ使うという使い方が主流になると思います。それがEX-wordが掲げる、『知る、聞く、学ぶに、歓びを。』につながると考えています」

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電子辞書に対しては、受験やビジネスのために知識を習得するためのデバイス、あるいはちょっとしたことを調べるデバイス、というイメージを持っている人も多いだろう。もちろんこのような使い方も王道なのだが、カシオのXD-SU2000は単に知識を得ることが目的ではなく、知る歓びを積み重ねることで、子供の学習意欲を養えるデバイスに仕上がっている。小学校低学年の子供を持つ親御さんの方々は、子供と一緒にXD-SU2000の楽しさを体験してみてはいかがだろうか。