KDDIは8日、東京臨海広域防災公園にて「首都圏直下型地震を想定した模擬訓練」を行った。訓練では、首都圏の基地局が被災して、携帯電話通信が利用できない事態を想定。車載型基地局を用いて、早急に通信を確保するまでを一連の流れとして公開した。災害に対してKDDIがどう対処するのか、訓練の模様をレポートしながら紹介していこう。

実施場所は東京臨海広域防災公園

大勢の一般客が見学に集まった

今回の訓練の前提条件はこうだ。

3月8日12時30分。東京湾北部を震源地とする首都圏直下型地震が発生。地震の強さを示すマグニチュードはM7.3。震源の深さは約20kmで、東京23区を中心に多くの地域で震度7の揺れを観測した。

通信各社は基地局を中心に広範囲に被害が及んでおり、携帯電話通信は利用できない状態にある。国の防災拠点となる「東京臨海広域防災公園」も、すべての携帯会社の通信が途絶しており、早急な通信確保が必要な状況だ。KDDIは政府、東京都から「東京臨海広域防災公園」「練馬区役所」「品川区役所」に対する通信確保要請を受けており、さらに中央自動車道では基幹伝送路(光ケーブル)の断線が発生している――。 都内の各所で同時に被害が発生している難しい状況に、KDDIはどのように対処するのか。