CarPlayにおける最大のポイントの1つは「音声によるハンズフリー操作」にある。スマートフォンを音声入力で操作するという試みは比較的昔から存在するが、これを音声アシスタントとして「Siri」というキャラクター性を与え、話しかける行為を比較的自然なものにしたのはAppleだ。

車載コンピュータに話しかけて情報を取得したり命令を与えたりといった近未来SF的なアイデアは「ナイトライダー」の「K.I.T.T.」といったTVドラマでもお馴染みのもだが、正直日本人の感性では大勢の前で「機械に向かって独り言」のような行為は気恥ずかしいと感じる人が多いはず。だが、例えば米国ではこうした恥ずかしい行為であっても堂々としなければならない場面がある。

直近でいえば「運転中のGoogle Glass着用は違法か?」といった最新デバイスの運転中の操作について議論が起こっているが、米国ではカリフォルニア州をはじめ運転中の携帯操作が法律で禁止されている州が多く、もし運転中の通話を行う場合でも「ハンズフリー」での操作が求められている。

イヤホンまたはヘッドセットの着用が必要であり、受信通話においても携帯に触れないでの操作を求められる。AppleがiPhoneに標準添付のイヤフォンでマイク部分をクリックすることで通話受信操作が可能なのも、こうした背景が理由の1つにある。

Google Glass公式サイトWhat it doesより。Google Glassをかけることで、ユーザーの視界に情報が提供される。このためアイズフリーとはならず運転中の操作が議論に

またGoogle Glassの例にもあるように、背景が基本的にシースルーとなっているHUD (Head Up Display)でさえ議論の対象となるように、視界を塞いでの操作も問題とされる。そのため「アイズフリー(Eyes Free)」での操作も求められ、Siriを介しての操作は「ハンズフリー」ならびに「アイズフリー」を両立するうえで重要となる。少なくとも、米国においてこのSiriを用いた車載システムとiPhoneとの連携は非常に重宝されると考えられる。