このほか、通話エリアの復旧状況が把握できる「復旧エリアマップ」の機能拡充も図られている。住所やキーワードでの検索に対応、地図のズームイン/ ズームアウト、注釈表示によるお客様支援情報の提供なども可能になった。

災害用音声お届けサービス、復旧エリアマップといったサービスも提供している

ネットワーク障害にはどのような原因が?

説明会の最後に、質疑応答の時間がもうけられた。「大ゾーン方式の基地局は、一般ユーザーがどの程度利用できるのか」という質問に、丸山氏は「一般ユーザー向けではなく、防災機関を復旧させる方々に向けて提供するもの」と説明。具体的には警察、消防、自衛隊など「優先電話」を持っている人に向けたもので、通信規制されずに利用できるという。

NTTドコモでは2011年、2012年に立て続けに通信障害を起こした。このとき、ネットワークオペレーションセンターはどのような状況だったのか、という質問には「スマートフォンのパケット利用が急増したためで、スマホが一斉に再接続するタイミングなどでトラブルが続いた」と説明。現在は機能的にもカバーしており、ネットワークの体力も増やしてきたとのことだ。通信システムが複雑になり、またインターネットを利用するサービスが多様化した影響もあり、故障箇所(原因)と通信障害(結果)の因果関係を結びつけることが難しくなってきているようだ。今後は、初動の段階で「どこを調べれば良い」かを明確にしていきたいという。

ネットワーク設備の故障にはどのような原因があるか、年間でどのくらい発生しているのか、という質問には「故障数は開示できないので数は明言できません。故障は大小ありますが、最近では夏の落雷、ゲリラ豪雨の対応が増えています」とのことだった。

音声お届けサービス、災害伝言板など災害時のツールについて、認知がどのくらい進んでいると考えているか、については「まだまだ普及していない」と丸山氏。「目の前に起こらないことは、なかなか認知してもらえない」と嘆きつつも、今後とも広報活動に力を入れ、災害時に利用できるサービスの普及に努めていく考えを示した。

オペレーションセンターの様子。36面のディスプレイが配置されており、修理箇所の確認などが行える。輪番制の職員が24時間詰めることで、不具合の早期解消に努めている

(記事提供:AndroWire編集部)