SSDを爆速化する「RAPID Mode」を利用可

TurboWriteと並ぶ、Samsung SSD 840 EVOで新たに採用された技術がRAPID Modeだ。RAPID Modeは、メインメモリの一部をキャッシュに使ったり、書き込みを最適化したりすることによって、SSDの性能を上げる技術である。

RAPID Modeは、専用ユーティリティソフト「Magician」によって実現される機能で、Magician 4.2では2.5インチ版Samsung SSD 840 EVOのみRAPID Modeを利用できた。しかし、mSATA版と同時に登場した最新バージョン「Magician 4.3」では、今回のSamsung SSD 840 EVO mSATA、および現行ハイエンドに位置するSamsung SSD 840 PROでも、RAPID modeを有効化できるようになった。ここでは、Magician 4.3のベータ版を使用して、840 EVO mSATA 500GBにおけるRAPID Modeの効果を検証してみた。

Magician 4.3βの画面。左にあるメニューの下から2番目に「RAPID Mode」という項目が用意されている

RAPID Modeを有効にしたところ。RAPID ModeはWindows 7以降のWindows OSでのみサポートされる

RAPID Mode有効時のCrystalDiskMark 3.0.3の結果は、シーケンシャルリードが985.3MB/秒、シーケンシャルライトが1067MB/秒となった。RAPID Mode無効時のシーケンシャルリードは528.1MB/秒、シーケンシャルライトは505.5MB/秒だったので、シーケンシャルリード/ライトともに約2倍に向上している。RAPID Modeの効果は非常に大きいことが分かるだろう。

CrystalDiskMark 3.0.3の結果

RAPID Mode有効時

RAPID Mode無効時

超小型PCを作るなら、840 EVO mSATAはベストチョイスか

今回の検証から、840 EVO mSATAのパフォーマンスは、非常に高いことが分かった。冒頭でも述べたように、mSATA対応SSDは、NUCやBRIXのヒットによって急速に注目が集まっている。TurboWriteやRAPID Modeといった独自の高速化技術を搭載した840 EVO mSATAは、メインストリームクラスの価格帯とトップクラスの性能を両立させており、とても魅力的な製品だ。

1TBという大容量モデルが用意されていることも高く評価できる。NUCやBRIXを利用して超小型だが高性能なPCを作りたいという人には、最適なmSATA版SSDの1つといえるだろう。また、mSATA版SSDを標準搭載しているUltrabookなどの内蔵ストレージ換装用途としても、強力な選択肢になるはずだ(換装可能かどうかやメーカー保証、ユーザーのスキルといった問題があるので、手放しではおすすめできないが…)。