大型センサーを搭載した高級コンパクトデジカメ「サイバーショット RX」シリーズの最新モデル「サイバーショット DSC-RX10」が登場した。光学8.3倍の高倍率ズームを備えながらも、ズーム全域で開放F2.8を実現したハイスペック機だ。その機能や画質、使い勝手を検証してみよう。

「サイバーショット DSC-RX10」

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これまでの「サイバーショット RX」シリーズは、大型センサーが生み出すワンランク上の画質と、携帯性に優れたコンパクトボディの融合が大きな特長だった。2012年夏に発売されたシリーズ第一弾「DSC-RX100」とその後継機「DSC-RX100M2」では1型センサーを、2012年秋に登場した上位モデル「DSC-RX1」とその兄弟機「DSC-RX1R」では35mmフルサイズセンサーをそれぞれ搭載。高級コンパクトデジカメが1型以上の大型センサーを採用する、そのトレンドを作った製品群といっていい。

今回のRX10は、そんな従来の「RX」シリーズとは少し毛色が異なる。何が違うかは、外見を見れば一目瞭然。これまでの長方形のコンパクトデジカメスタイルではなく、電子ビューファインダーを標準装備した一眼スタイルのやや大きなボディなのである。

大口径カールツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズを搭載

ツァイス独自の多層膜コーティング「T*コーティング」を実施

側面に見えるのはNFCのマーク。スマホなどと素早く無線接続できる

各部にシーリング処理を施し、水やほこりが侵入しにくい構造を実現

外装は高品位なマグネシウム合金製。ゆるやかなカーブを多用した曲線的なデザインを採用する。天面のなで肩のボディラインは同社の一眼カメラ「α99」「α77」を彷彿させるが、それと同時に、天面の角や内蔵フラッシュの周辺部にエッジをきかせることで、ボディの造形にメリハリを与えている。

真上から見ると、ボディ全体に対してレンズ部が非常に大きいことが分かる。片手で構えるとアンバランスだが、左手でレンズ部を下から支えるようにして両手で持つと安定感がよくなる。グリップの表面にはシボ処理が施され、手触りは心地よい。

テレ端までズームアップした状態。ズームは電動式で、速度は遅め

ポップアップ式のフラッシュを内蔵。外部フラッシュの利用もできる

RX10のボディを初めて見た際に、「レンズが大きい」と感じるのは私だけではないだろう。しかし、スペックを考慮すれば、実はかなりコンパクトであるともいえる。レンズの焦点距離は35mm換算で24~200mm相当で、開放値はズーム全域でF2.8に対応。広角から望遠まで幅広くカバーしつつ、全域F2.8を実現したのは画期的だ。しかも、センサーサイズはRX100やRX100 M2と同じ1型である。

ズームのワイド端で撮影。35mm換算の焦点距離は24mm相当(原寸大画像を見る)

ズームのテレ端で撮影。35mm換算の焦点距離は200mm相当(原寸大画像を見る)